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加藤ゐくこ先生の薬膳料理
- 加藤先生の薬膳コラム4月号 2017.04.17
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桜咲く4月は卯月と呼ぶ。新年度の幕開け、「桜咲く」とは誠に縁起の良い新しいスタートを表す言葉です。
入学、入社・・・子供の成長を見守る親心、誠に喜ばしい四月です。
■花の季節
4日を「清明:せいめい」と言い、全ての物が清らかで生き生きする、命輝く季節の到来です。
古来より桜の咲くのを心待ちにして、花に寄り添い、酒を酌み交わすなどの「お花見」の風習がありました。
青空にうす桃色の満開の桜、人生の花盛り、自然が最も輝く季節です。
この時期の自然の花々・・・山帰来:サンキライ、山野草です。
アケビの花、秋には紫色の実がつきます。
そして・・・桜の後を追うように藤の花が日本的で美しいです。
やがて来る新緑の季節までの美しい花々を求めて、しばしの散策をお楽しみください。
■4月の薬膳
冬にため込んだ腸内の不要物の排毒におすすめです。
●かんたん:牛蒡味噌のすすめ!
ごぼう味噌
《材 料》
ごぼう 100g(すりおろす)
生姜 10g( 〃 )
豆味噌(三年もの)100g
《作り方》
材料を混ぜてよく練り合わせる。
★お腹が冷えているときなどにそのままいただきます。
★お味噌汁の代用に熱湯で溶かして飲んでも良い。
★熟成した味噌の酵素とごぼうの豊富な食物繊維が腸内の善玉菌を増やし便通を促して便秘の解消に役立ちます。腸内の環境がよくなるとビタミンの合成や脱コレステロールの効果、大腸ガンの予防にもなります。
日ごろから、便秘、下痢、ガスがたまりやすいなどの傾向がある場合は常備菜として作り置きして常食すると良いでしょう。
★味噌は必ず三年ものの豆味噌を使用してください。米味噌、麦味噌では効果がうすいのでご注意ください。
★このままでは長期保存はできませんので、保存食としては練りながら加熱してください。
(もともと、夏の砂浴の際に絶食して宿便を排泄する補助食品として考案されたものです)
●小松菜のキムチ
小松菜のキムチ
《材 料》
小松菜 一束(300g)
長ネギ 1/2本(4cm長さの千切り)
A 薬膳だし 一袋
赤唐辛子 1本(又は唐辛子粉小さじ1/2)
ニンニク2片 生姜1片(すりおろし)
B 餅玄米粉 大さじ1 水1/2C
C 大根の卸汁1/3C
水1/2C
塩 小さじ1
(オーガニックシュガー 小さじ1、1/2)
《作り方》
① 小松菜に塩をふり、重石をして1時間ほどおき、水が出たらさっと洗い、絞っておきます。
② Aを合わせておきます。
③ Bをあわせて小鍋で混ぜながら沸湯させてのりをつくります。
④ ②と③に長ネギを加えて良くまぜてタレをつくります。
⑤ ④に①を加えてタレを全体に絡めておとし蓋をして3~4時間置いて味を馴染ませたのち、冷蔵庫に移します。
⑥ 翌日からいただけます。
●食材解説
食材名(生薬名)
四気/五味
帰経
効 能
小松菜
甘、辛、平
脾、肝、大腸
養陰、徐煩、健脾、通便
長ネギ
辛、温
肺、胃
解表、補陽、散寒、健脾、散結
生姜
辛、温
脾、胃、肺
化痰、止咳、解表、散寒、健脾、解毒、
温中、止嘔
ニンニク
生:辛、熱
加熱:甘、温
脾、胃、肺
温中、健胃、止咳、化痰、宣竅、解毒、殺虫
唐辛子
辛、大熱
心、脾、胃
温中、散寒、消食、健胃、化湿
大根
辛、甘、涼
肺、胃
消食、化痰、寛中、降気
小松菜の成分と食効
江戸時代に、東京の小松川付近で栽培されていたのがこの名前の由来。
一番の特徴は、アクになる修酸がなく、その上、ビタミンA、C、カロチン、カルシュームはホーレン草より多く、とくにカルシュームは約五倍。100gの小松菜に含まれているカルシュームを卵でとるなら10個程度、牛肉だと5~6キロ。小松菜がたいへんな省エネ野菜であることがわかります。ただし、鮮度が落ち易い野菜で、一日おいただけでもビタミンCは2/3まで減少します。出来れば、自家菜園のとりたてを食べたいものです。 食効としては、胆汁の分泌を促進する作用があるので解毒が進み疲労感がとれ体調がよくなります。また、神経を安定させる作用もあるので、神経過敏な人や疲労が激しい人は、たくさん食べてほしい野菜のひとつです。
通常、カルシュームが多いことで知られていますが、改めて優れものと言うことが判ります。
どうぞお試しください。
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