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芸能人インタビュー

十朱 幸代/過去にこだわらず前に進むことで、私の中にあるまだ知らない女優に出会えるんです。 2010.01.18
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十五歳でデビューして以来、溌溂と輝き続ける十朱幸代さん。キャリアを重ねた今でも常に新しい役に挑む姿勢を持ち続けています。そんな十朱さんがイプセンの傑作舞台『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』で、愛と憎しみに生きる女性を演じます。

 

断るのはもったいない! そう思わせるほどの舞台との出会い


 

 「ちょっと恐いイメージを持たれることもありますが、実はおっちょこちょいな所も多くて(笑)」


 そう言ってはにかむように笑う十朱幸代さん。大きな瞳が悪戯っ子のように丸くなる。女優として輝かしい実績を誇る十朱さんの、このチャーミングさには驚かされるばかり。


 とはいえ、やはり十朱さんの魅力はその卓越した演技力。少女から老女、善良な母から悪女まで自在に演じわけます。この二月には、ヘンリック・イプセンの最高傑作と呼び声の高い舞台『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』に出演します。


 「舞台はこれまで多く出演していますが、翻訳劇には馴染みが薄い上に、今回はイプセンでしょう。『人形の家』など素晴らしいものをいくつか拝見していますが、演じる側として観るとやはり難しい……。お話をいただいた時には『私がイプセン!?  とんでもない!!』って最初は尻込みしてしまいました。でも、仲代(達矢)さんや大空(眞弓)さん、米倉(斉加年)さんたちと同じ舞台に立てることや、この戯曲の素晴らしさ、役の魅力などを考えて、これを断ってしまっては勿体無い!  と思うようになったんです。でも受けてから、膨大なセリフを前に今からドキドキして、緊張しています(笑)」


 『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』は、周囲すべてを不幸にしても決して夢と野心を諦めない男ジョン・ガブリエル・ボルクマンと、彼を取り巻く三人の壮絶な愛と憎しみを描きます。主人公のボルクマンは、かつて栄光の中で国中から称賛されながら、勝負に敗れ全てを失ってしまう。今は雪に閉ざされた最果ての地で、彼への憎しみに生きる妻とひっそりと暮らす。唯一の友は不幸続きのフォルダル。そこにボルクマンに裏切られた女エルラが現れ、それぞれの人生を賭けた極限状態の闘いが始まる—


 十朱さんは男の野望のために犠牲となりながら、男を愛すあまり、彼の妻となった双子の姉を憎み、その息子に救いを求めるエルラを演じます。激しい感情表現の中で微妙な女性の心理をも表現するという、役者としてもたいへんパワーが必要になる役所です。


 「始まりから火花の散る展開です。私は双子の姉妹の役ですが、その姉妹で一人の男性を取り合うライバルになる。さらには、その男性の子どもまでも奪おうとする。それほどの愛を持つことって、もしかしたら凄いことなのかも知れませんね。ずっと一緒に育った間柄でも、女同士ってどこかライバル心のようなものがあると思うんです。そういう微妙な心情も出していければと思います。
 長丁場ですから、観に来てくださるお客様のためにも、まずは体調を整えないとね(笑)」
 
様々な人を演じる中で新しい自分に出会うことが役者の醍醐味 !!


 

 愛しながら憎む。揺れ動く心理状態のエルラにどう向き合うか? 十朱さんは緊張しながらもどこか楽しそう。そのことについて伺うと、「私が持っていない愛への執念をエルラを通して演じられるから」と笑顔で答えます。自分にないものだからこそ演じ甲斐がある。この姿勢を貫くことで十朱さんの評価は高まっていきました。しかし、それもまた十朱さんにとっては一つの通過点なのです。


 「性格なんでしょうけど、私はあまり過去にはこだわりません。同じ後悔なら前に前に進んでいたいんです。ですから演技の評価もそれほど気にはしていません。もちろん良い評価をいただければ嬉しいですよ(笑)」


 評価にしばられていては、また同じような演技をしてしまう。それでは女優としての鮮度が保てない。こうした思いがプロとしての意識を高め、さまざまな役柄を自分のものにできたのでしょう。


 「女優として苦しんだ時期ももちろんあります。デビューからしばらくは、近所のお姉さん的なイメージが強くて、同世代の女優さんの大人っぽい演技に本当に焦りを感じました。でも父(故・十朱久雄氏)から『焦らなくたって、大人の女性にはなれるんだから』って言われて随分ラクになったのを覚えています」


 十朱さんはその後、芸術座で最年少の座長を務めるなど活躍の場を広げて行きます。その中で感じたことが、女優として第一線で活躍を続ける力の源になっているのです。


 「長く続けられる役に出会えることは、役者にとって名誉なことです。そういった役も大切にしますが、同じくらい色々な役柄にも挑戦したいんです。自分ではない誰かの人生を歩むことができる。さまざまな役を生きることで、自分の中にあるまだ知らない自分に出会う。それこそが役者の醍醐味ではないでしょうか」
 
舞台『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』を演じきることこそ課題
 
 その思いは今回の舞台『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』でも変わることはありません。演じる女性について、深く探りながら近づいていきます。


 「私が演じるエルラという女性は、一言で言うなら『いい女』かしら。一人の人間だけをそこまで純粋に愛することって今の私たちにはなかなかできないことじゃない? そんなひたむきな愛もこの舞台でぜひ感じていただきたいです。私にできないことだから余計にそう思います(笑)」


 本公演は、台本を読んで一瞬で心奪われてしまったという名優・仲代達矢さんをはじめ、大空眞弓さん、米倉斉加年さんと錚々たる役者が顔を揃える注目の舞台です。最後に十朱さんにこの舞台にかける思いを伺うと—


 「いつも仕事では何か課題を持って臨みますが、今回はこの舞台に出ること、それ自体が女優としての課題なんです。この役を最後まで演じきることができたら、その時にはきっと女優としての、新しい私が見つかると期待しています。また、それを引出してくれるだけの魅力のある舞台だと思います。ぜひ劇場においでください」

 

プロフィール

女優/十朱 幸代
とあけ・ゆきよ 1958年NHK『バス通り裏』でデビュー。1959年『惜春鳥』で映画デビュー以来、多くの映画に出演。『日本一短い「母」への手紙』で日本アカデミー賞主演女優賞受賞。舞台では2002年に『悪女について』と『マディソン郡の橋』の演技により第27回菊田一夫演劇大賞を受賞。2003年紫綬褒章受章。


 
『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』

 


■原作/ヘンリック・イプセン 上演台本/笹部博司 演出/栗山民也 出演/仲代達矢、大空眞弓、米倉斉加年、十朱幸代 公演日/2月12日(金)〜21日(日)・世田谷パブリックシアター、 3月18日(木)〜20日(土)・東京芸術劇場・
中ホール 料金/S席:7,800円、A席:6,000円(全席指定・税込)
【問】サンライズプロモーション東京 TEL:0570-00-3337

 

 

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