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役者として成功するよりも、ひとりの人間として認められる存在になりたい 2012.01.16
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役者として成功するよりも、

ひとりの人間として認められる存在になりたい

 

思ったことをストレートに表現する柳葉敏郎さん。その素顔は家族や故郷の秋田県を想う一本筋の通った男の生き様を感じさせる。そんな柳葉さんが、戦争に反対しながらも真珠湾攻撃へ踏み切った山本五十六の実像に迫る映画『聯合艦隊司令長官   山本五十六』で海軍省軍務局長・井上成美に挑む。

 

 

■祖父の面影を感じた映画『聯合艦隊司令長官  山本五十六』

 

 「よろしくお願いします」ピシッと一礼してから取材現場に現れた柳葉敏郎さん。その姿に、自然と取材陣も背筋が伸びる。
  「劇男一世風靡“セピア”」のメンバーとして活躍後、役者として映画、テレビと活動の場を広げていった柳葉さん。「踊る大捜査線」シリーズでは、眉間にシワを寄せた室井慎次役に強烈な印象があるが、目の前の柳葉さんは、表情豊かに、こちらまで楽しくなるような笑顔を見せてくれた。真直ぐ瞳を見て話す真摯な姿からは一本芯の通った男気も感じさせる。

 

 そんな柳葉さんが、戦争に反対しながらも真珠湾攻撃を決行した山本五十六の実像を描いた映画『聯合艦隊司令長官  山本五十六』で、山本と共に三国同盟反対を主張し、最後まで反戦の意を貫いた海軍の井上成美を演じる。
  「出演依頼が来た時は、やった!  と思いました。本来なら戦争を体験した、じいちゃん、ばあちゃんが生きているうちに観てもらいたかったけど…。きっとこの役をやり遂げることで喜んでくれていると思います」

 祖父が海軍だったという柳葉さん。幼い頃から写真で見る祖父の海軍姿に憧れていた。
  「じいちゃんは戦争の話は一切しませんでした。ただ、ひとつだけ『何で負けが分かる戦争をするんだろう』と思いながら戦場に行っていたことを話してくれたんです」

 

 その言葉が記憶の中にずっとあった。だからこそ、開戦に反対し続けた井上を演じる上で、苦労はなかったという。井上を演じながら、祖父の面影を追っていた。
  「『何故この戦争をしなければならなかったのか』映画の核となるメッセージを僕自身感じました。できる限り資料に基づき、自分なりに感銘を受けたことを表現しました」 

 物語では、井上たちの思いとは裏腹に、多くの日本人が強い祖国を信じ、太平洋戦争へと突入。山本と共に井上も苦悩していく。
  「井上を支えていたのは、自分の信念、正義感だったと思います。同じ考えを持った尊敬する上官が側にいたことが心強かったのだと思います」

 キビキビとした態度、ハキハキした物言いから柳葉さんが軍人・井上と重なる。

 映画では、主人公・山本五十六に役所広司、海軍大臣・米内光政には柄本明と、日本を代表するキャストが顔を揃えた。
  「皆さん、この作品に対する強い思い入れがあるので、僕もしっかり気持ちを持って作品と、皆さんと向き合うよう心がけました。やはり、ぶつかる所はぶつからないと。お互い切磋琢磨しながらの現場だったので“生きた映画”になったと思います」

 

 

■父親として、夫として、秋田県人としてしっかり生きていく

 

 これまで様々な役に挑み、その存在感を示してきた柳葉さん。役者に対する思いを聞くと意外な答えがかえってきた。
  「役者という仕事はやりがいもありますし、困難だと思います。だけどどんな仕事だって困難ですよ。仕事に携わる人は皆プロ。プロはそれぞれの環境の中で強くなければいけないし、逞しくなければいけない。役者だから大変という思いはありません」

 

 すべての仕事に対して敬意を払う。

  「僕の目標は『役者として進化していくこと』ではありません。確かに、一つひとつの作品を自分の思うレベル以上のものを作りたいという思いはあります。しかし『役者ばか』にはなりたくない。ひとりの人間として皆に認められる存在になりたい」
 役者の前にひとりの人間・柳葉敏郎として認められること。それは家族に対しての強い思いが根底にある。
  「父親として、夫として、家族に認められること。それは間違いなく僕の原動力です。そして僕は人間を表現する、この仕事の中で自分自身を育んでいきたい。それが役者という仕事に反映していくものだと思います。そういう意味では『人間ばか』ですよね(笑)」

 

 屈託なく笑う。そのチャーミングな笑顔が人々を魅了する。そんな柳葉さんの芯とは?
  「『愛』です」
 きっぱり。間髪入れずにそう言った。
  「すべてにおいて愛です。人に愛して欲しければ人を愛しなさいという思いです」
 思いの原点は高校卒業後、故郷の秋田から送り出してくれた祖母の存在が大きい。
  「自分の意志をしっかり持った、凛としたばあちゃんでした。僕が東京に出ていく時、家族全員が反対する中『この子がはじめて自分の進路を自分で決めたんだから行かせてやりなさい』という一言で決まりました」
 いざ、上京する朝、祖母が言った。『自分で決めて敷居をまたぐのだから、どうなったら帰って来れるかわかるね』胸に突き刺さる言葉だった。
  「あの言葉は重かった。中途半端では絶対に帰れない。その言葉に応えなければいけないと強く思いました」

 

 それからは祖母に認めてもらえるよう、一心不乱に進むべき道を極めてきた。祖母の他界で目標を見失いかけるも1997年の結婚、子どもを授かったことで、迷いは無くなった。『家族のために生きる』と。
 そして2006年から生活の拠点を故郷の秋田に移す。
  「父親としての責任をまっとう出来る環境が秋田にあったからです」

 自身は小学校3年生の時に父親を失っているだけに、子どもの話になると自然と顔がほころぶ。子どもの生後一ヶ月間は仕事を抑えながら、妻と共に面倒を見続けた。
  「あの一ヶ月間は父親として貴重な体験でした。僕が親父にしてもらいたかったことを今している感じです。
 秋田は色んなものが豊富です。自然、食物、人間関係もそうです。僕が18歳まで秋田に育ててもらった環境が今も残っている。秋田に恩返ししたいという思いも強いですね」
 父親として、夫として、秋田県人として…自分の生きる道をしっかり見定めた柳葉さん。これからも愛する家族のため俳優の道を突き進む。

 

 

 

◎役者/柳葉敏郎

 1961年秋田県生まれ。パフォーマンス集団「劇男一世風靡“セピア”」メンバーとして人気を得、87年映画「南へ走れ海の道を!」で日本アカデミー賞新人賞受賞。97年から放送のフジテレビ「踊る大捜査線」シリーズでは室井慎次役を熱演。他、映画、テレビと幅広く活躍。

 

『聯合艦隊司令長官  山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』
1939年「日独伊三国同盟」締結に日本は大きく揺れていた。それを強硬に主張する陸軍、マスコミ、国民。しかし海軍大臣米内光政、次官山本五十六、軍務局長井上成美はその世論に敢然と異を唱えた。しかし1940年、三国同盟が締結。一年後、日本海軍によるハワイ真珠湾攻撃が決行された。それは山本五十六が生み出した、苦渋に満ちた作戦だった…。
■監督/成島出

■脚本/長谷川康夫、飯田健三郎

■監修・原作/半藤一利

■出演/役所広司、玉木宏、柳葉敏郎、

  阿部寛、香川照之他

■全国絶賛公開中!


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