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人生の達人

定年後に思いきって飛び込んだ新しい世界で“夢の敗者復活戦”を堪能中! 2007.05.16
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河口湖自然学校 林原博光

 一年半前に定年を迎えたとき、定年後は全く違った舞台で生きて行きたいと考えていた。
 昭和18年、鳥取のど田舎で生まれた私の子ども時代は、ラジオもテレビもなく、ひたすら、山や川で遊んでいた。最近、私の住んでいる近所の山や川に、子どもの姿はない。これでいいのだろうか? という思いがずっとあった。

 戦後の高度経済成長が人々の生活に物質的な繁栄をもたらしたのと軸を一つにして、子どもたちの遊びから自然が消えていった。子どもと自然の距離をもう一度近付ける、そんな仕事をして、人生の最終幕を閉じたいと思っていた。

 ところが、思いだけはあったが、スキルがなかった。

 一から勉強しようと、あちこちの自然学校を見て回り、役に立ちそうな資格を取りまくった。カヌー、ネイチャーゲーム、ツリークライミング、キャンプ、オリエンテーリングなどなど。若い人たちに混じっての講座は、正直、きつかった。体力、バランス感覚、記憶力、全てが予想以上に衰えていた。明らかに情けで合格をいただいたものもいくつかある。落ちこぼれの悲哀を嫌というほど味わった。でも、これが楽しかった!

 定年後の生き方にはふた通りあるような気がする。

 ひとつは、過去数十年間培ってきたスキルや人脈を活かし生きる道。いま一つは過去を全て捨て去って、更地から新しいことに挑戦しながら生きていく道。

 定年後の人生は、人生の最終列車。どのような列車に乗って人生を全うしていくかは、本人次第だが、全く未知のジャンルに首を突っ込んでみるのもなかなか刺激的だ。未経験だから、自信がないからこそ感じる緊張感。それと、昔捨てた夢にもう一度挑戦できる楽しさ。一度捨てた夢をもう一度拾い直す“夢の敗者復活戦”。

 この一年余り、河口湖の自然学校で実際に子どもたちを教えながら、九州や北海道に自然学校を作る仕事に関わっている。これが“公”の部分。

 “私”の部分では…、生活の時間軸を20~30年前に戻し、徹底的に“不便を楽しむ”ことに決めた。余程のことがない限り、新幹線は使わず、急行や各駅停車で動く。高速道路は使わず、一般道を走る。見えないことが、たくさん見えてきた。見知らぬ人とも知り合いになれた。東北の海辺の道を走っているとき、アサリ捕りをしている人がいた。岸辺に座って、眺めていたら、「やって見る?」と言われ、道具を借りて半日アサリ捕りをした。大量のアサリが土産になった。

 この一年半で感じたのは、定年後は“やまびこ人生”だということ。自分で動けば、必ず何かが返ってくる。動かなければ、何にも返ってこない。会社を辞めた爺さんなどに誰も手を差し伸べてくれないという現実。

 動くためには、気力、体力がいる。何時、これらが失くなるかといった不安はあるが、気力と体力がなくなる時は、夢も一緒になくなるはず。そのときは心おきなく休めばいい。でも、それは少しでも先にしたいなぁ…と願う。

PROFILE 
林原博光
(はやしばらひろみつ)
1943年生まれ。1968年青山学院大学卒業。同年TBS入社。ラジオ・テレビの番組制作、人事などを担当。2003年定年退職し、現在は自然学校の仕事に従事。

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