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人生の達人

絵地図師・散歩屋 2008.12.20
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絵地図に描かれるのは『生きた』まちの表情。心の目を開いて、新たなまちの魅力を発見!

 絵地図師・散歩屋として、まちの魅力を発信している高橋美江さん。まちに住む人々の息遣いまで聴こえてきそうな絵地図には、美江さんが『本当に面白いと思う』情報が詰め込まれています。NHK文化センターではまち歩き講座を担当。60代から70代の女性を中心とした生徒に、まちを案内しています。キャンセル待ちがあとを絶たないほどの盛況ぶりも、まち歩きの極意を心得た『カリスマガイド』の美江さんだからこそです。

 

 どう伝えるか? 可能性の表現手描きの絵地図がもたらすもの

 「肩書きは色々あるけど、私の仕事は『伝える』仕事。どうすれば伝わるのか、つねに模索しています」

 イラストレーター兼デザイナーであり、絵地図師・散歩屋として活躍中の高橋美江さん。まち歩きの講師を勤めているだけあって、美江さんは機知とユーモアに富み、話し上手。さまざまな例え話やだまし絵を駆使し、人の興味を惹き付け、いつの間にか相手を『美江ワールド』へと引き込みます。

 「以前、職人の取材イラストを描いていたことがあるんです。風鈴や簾、三味線作りの職人たちに話を聞いて、文章入りでイラストを描くの。風鈴の作り方とか、専門的な情報もポイントとしては大事だよね。でも、風鈴は英語で『ウインドベル』、外国ではクリスマスツリーに飾ったりだとか、そういう豆知識も面白いでしょ。読み手が欲しがっているのは、『雑談』的なエピソードだったりするんです。事細かな専門知識よりも、職人さんの人柄とか、名前の由来とか。つまり、何を『どう』伝えるかが大事なの。それは相手の気持ちを考えるってこと。絵地図を作る際にも、同じことが言えるのよ」
見ていて楽しくなるばかりでなく、わかりやすい美江さんの絵地図。それはつねに読み手を意識し、「その土地を初めて訪れる人にもわかるように」作られているからです。
「絵地図は縮尺がいい加減ってイメージがあるかもしれないけど、とんでもない! 資料やハード情報に基づいて、正確に作られています。実際に持って歩くことが前提だから、何よりも実用性を重視。そのためなら、情報の多い所を膨らませたりするよ。ナビとして機能しないものは、地図じゃないよね」

 最初はペンで描いていたという美江さん。ところが、横浜の『寺家ふるさと村』の絵地図を描いている際に、ペンに違和感を覚えます。昔ながらの田園風景が色濃く残るこの地域には、和の雰囲気こそ相応しい。そこで、和紙に筆で描くことにしました。滲み、かすれ、ぼかしなど、和紙に描くと味わい深さが増します。全体的に柔らかい印象になるのです。

 「それがとても評判が良かった。以来、和紙に描くことが多くなったの。絵地図の感想でよく聞くのが、『温かい、優しい、わかりやすい』。手描きの醍醐味は、線一本にも表情が出るところよね」

 

まちの素顔を見つめること『ハレ』と『ケ』で情報を区別

 絵地図を作る際、美江さんは実際にまちを歩きます。雰囲気を掴んだり、そこに住む人に話を聞いたりするためです。インターネットや書籍からデータを集めて、自宅で絵地図を作ることも可能です。しかしそうやって作られた絵地図には、心が宿りません。
「やっぱり、私自身が楽しまないとね。自分の心が動かないのに、人の心を動かすことはできないでしょ。実際にまちを歩いて、いろんな人と出会うのは楽しいです。まちの人と仲良くなると、地元ならではのオモシロ秘話がポロポロ出てくるの! 茶飲み話から得られる情報は、とっても貴重。どんなガイドブックにだって載ってないんだから」
美江さんはまちの表情を、『お散歩民俗学』という、独自の観点から見つめていきます。『ハレ』(よそゆき、非日常)と『ケ』(日常)で、情報を区別しているのです。

 「本当にまちのことが知りたかったら、、『ケ』の部分を見なきゃネ。その情報を教えてくれるのが、まちの人なの」

 

まち歩きは確認と発見の作業好奇心はなにものにも勝る

 浅草を歩いていたときのことです。雷門の提灯の裏に『京都高橋提灯』の文字。なぜ京都? と気になった美江さんは、即問い合わせ。スポンサーの松下幸之助さんが京都在住で、地元の会社に提灯を発注したからとのことでした。

 「疑問『?』を追求していくと、なるほど『!』に変わる。疑問が生まれたら、何が何でも解決するのが鉄則! わからないままでいるなんて、気持ち悪いでしょ(笑)。疑問に思うことがあれば、私はすぐその辺の人を捕まえて聞くの。突然のことなのに、皆さん快く応えてくださる。人運がいいから、良い人にばっかり出会うんだ(笑)」
好奇心の強さは誰にも負けないという美江さん。今一番の楽しみは、立体地図『3Dアート地図』を作ることです(写真左・下)。この作品は、NHK番組『こんにちは いっと6けん』で披露されています。実際に明かりの灯る行灯型地図や、お稲荷さんをかたどった地図など、アイディア満載の楽しい地図ばかり。東京タワー界隈を描いた、デコレーションケーキ型の地図は、タワー本体は取り外し可能です。袋から絞り出されたばかりのような生クリームも、本物さながら。持っていたら自慢できること請け合いの作品群は、欲しがる人も多数。いつか3Dアート地図の個展を開きたい、と美江さんは言います。
「いつかはニューヨークやパリのような、外国の街の絵地図を作りたいな。しかも、筆や和紙を使って描くの。ミスマッチで楽しそうでしょ!」

 仕事も人生も、全力で楽しんでいる美江さん。表現者を極めるべく、これからも邁進し続けます!

 

PROFILE

高橋 美江さん/絵地図師・散歩屋
東京都在住。グラフィック・デザイナー、イラストレーター。武蔵野美術大学デザイン科卒業。高橋デザイン室主宰。絵地図師として名を馳せる。座右の銘は『真面目に不良』。地図作りで得たノウハウを活かし、NHK文化センターの横浜教室で「東京下町小さな旅」、青山教室で「人・まち・味の出会い旅」というまち歩き講座の講師を担当。NHK番組『こんにちは いっと6けん』にまち歩きのガイド役として出演中。著書に『絵地図師・美江さんの東京下町散歩』(新宿書房)。

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