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人生の達人

アートプロデューサー 2009.01.26
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質の高いクラシック音楽が、より気軽に楽しめる社会を目指して。

 今回ご登場の土井悦子さんは、学生時代に音楽を専攻、結婚後は専業主婦として子育てをする傍ら、子どもたちにピアノを教えていました。『なぜ小さな子どもが気軽にクラシック音楽を聴ける場所がないのだろう』。そんな疑問から、子どもも楽しめるクラシック音楽のコンサートを企画。26年前に始まったその活動はさまざまなかたちを経て、これまでに幅広い世代の人々へクラシック音楽を楽しむ場を提供しています。

 

子どもにもクラシック音楽が気軽に楽しめる場所を

 毎年、東京・京都・岡山で『緑の街サロンコンサート』や小中高校でのスクールコンサートなど、クラシックコンサートの企画運営を行うNPO法人『緑の街ミュージックフレンズ』。前身は1982年、子どもにも良質な室内楽を聴かせたいという母親たちによって結成された『緑の街・親子サロンコンサート』です。その創設メンバーである土井悦子さんは現在、団体の理事長を務めます。

「大学でピアノを専攻し、結婚後は子育てをしながら子どもたちにピアノを教えていました。しかし、子どもたちにはピアノを弾けるようになるよりも前に、まずクラシック音楽そのものを好きになってもらいたい。なぜ、子どもが気軽にクラシック音楽を聴ける場所がないのだろうと思いました。そこで、親子で楽しめるクラシックコンサート『緑の街・親子サロンコンサート』を企画したんです。記念すべき第一回目には、当時NHK交響楽団首席フルート奏者の宮本明恭さんに、2年越しのお願いで出演していただきました」

 当時、一流の演奏家が子どもたちに語りかけるコンサートはめずらしい試みでした。曲や楽器の話、さらには楽器を解体して音の出る仕組みを説明したりなど、分かりやすく楽しい内容が人気を呼びます。この活動が高い評価を受け、当時の(財)板橋区文化振興財団から板橋区のクラシック音楽部門を委託されます。そこで土井さんは、音楽文化向上を目的とした区民のボランティア団体として活動を開始。オーケストラと和楽器の共演するコンサートなど、意欲的にプロデュースしました。

「コンサートは大人も子どもも楽しめるように曲順にメリハリをつけたり、現代音楽といわれるものを取り入れたりして、工夫を凝らしています。クラシック音楽に先入観のない子どもたちの方が、そういう演出に反応が良かったりします。目の前の迫力のある生演奏に、小さな子どもたちもいつの間にか集中。そんな姿にお母さん方が驚かれていることもよくあるんです」

 

“妻”や“母”としてだけではなく自分が輝ける場所を探した

 大学時代から、自分の演奏よりも友人の演奏会の世話に奔走していたという土井さん。卒業後に音楽に関わっていくことについては、特に強く意識していなかったといいます。
「社会に出て結婚してから、クラシック音楽がより好きだと感じるようになりました。当時は、結婚すると仕事を辞める女性がほとんどで、専業主婦は『~さんの奥さん』とか、『~ちゃんのお母さん』と呼ばれるんです。でも私は、私自身を認めてもらい、活躍できる場所がほしかった。それがクラシック音楽だったんです。クラシック音楽なら、多少は人よりも知識があるのではないか。音楽を通じて社会とつながりたい! そう考えるようになりました。自分の子どもがまだ小さかったこともあり、子どもが一緒にクラシック音楽を楽しめる方法や、そのためには自分に何ができるのかを考え、団体の結成に至ったんです」

 

お客様と演奏家に喜んでもらえることが、自分にとっても喜び

 コンサートに来たお客様から『楽しかった』とか、演奏家に『ありがとう』と感謝されることが、土井さんが活動を続けていく上で、とても大きな励みとなっているそうです。
「今でも心に残っているエピソードがあるんです。地方での公演が終わって東京に戻ってきたとき、その公演に来てくださった方からFAXをいただきました。その方は、認知症の親の介護で大変な毎日を過ごしていて、コンサートに行くのはやめようと思っていたそうです。しかし『頑張って行ってみて本当に良かった。素晴らしいひとときをありがとう』と書いて送ってくださったんです! 質の高い音楽は、心に響くものを持っています。そんな音楽が与えてくれる感動を、一人でも多くの人に味わってもらいたい。コンサートの企画・運営というかたちで、これからもたくさんの人にそのような機会を提供していけたら、なんて素敵だろうと思いました」

 

今後は若手の音楽家を応援。皆で育て、音楽を楽しむ社会に

 土井さんはこの活動を通じ、コンサートの運営方法など多くのことを学び、かけがえのないものを得たといいます。
「一番の収穫は、たくさんの素晴らしい音楽家との出会いや、志をともにするスタッフに恵まれたこと。運営資金など大変な面もありますが、プログラムの内容を考えたり、アーティストを編成する仕事はとても楽しい。これからもずっと続けていきたいですね」
クラシック音楽のコンサート運営に携わり26年。その活動はしっかりと根を張り、多くの人に音楽の素晴らしさを伝えてきました。今後、土井さんが目指すのはどんなものなのでしょうか。

「これからの世代を担う子どもたちへクラシック音楽の楽しさを伝えつつ、志の高い、才能のある若いアーティストの支援に力を入れていきたいと思っています。彼らの豊かな資質が、充分に発揮できるような環境作りをモットーに取り組んでいます。私たちが皆で一緒に未来の音楽家を育て、将来は聴衆となって彼らの音楽を楽しむ。そんな、音楽が生活に息づいた社会が私の理想なんです」

 

◆コンサート情報
■岩永善信(10弦ギター)の世界
2009年4月19日(日)15時30分開演
※「3才からのクラシック」13時45分~
池袋・自由学園明日館講堂
会員2、000円/一般2、700円~
【お問い合わせ】
NPO法人 緑の街ミュージックフレンズ
。TEL:03-3937-2608
http://home.att.ne.jp/sigma/midorimf/

PROFILE
土井 悦子さん/アートプロデューサー

京都女子大学文学部教育学科音楽教育学(ピアノ)専攻・卒業。NPO法人「緑の街ミュージックフレンズ」理事長。'82年、子どもと一緒にクラシック音楽を楽しむ「緑の街・親子サロンコンサート」を始める。'90年からの10年間、(財)板橋区文化振興財団のクラシック部門を委託され、音楽文化向上を目指したボランティア団体を結成。オーケストラと和楽器が共演するコンサートなどのプロデュースを手がける。2007年度井原ロータリークラブ「職業奉仕賞」受賞。

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