アクティブなシニアライフを応援する情報サイト

素敵に年を重ねる’あなた’のための応援サイト
Home

文字サイズ変更

  • 標準
  • 大

はいからCHANNEL インターネットTV
はいから大人の部活
遺言アプリ100年ノート


メディアのご紹介

  • 季刊誌はいから
  • 新聞はいからエスト

好評連載コラム

人生の達人

『ギャラリー風と雲』経営者/古賀幸子さん 2009.07.25
Share

ゆっくりでもいいから、止まりたくない。

この灯りが世界中にともることを夢見て…

 

 

目黒の住宅街にひっそりと佇む『ギャラリー風と雲』。自宅マンションの一室を改装した店内には、独創的な陶器の灯りや花器・食器と銅版画が並び、訪れた人々に癒しと安らぎを与えてくれます。「長い入院生活中に出会い、私に立ち直るきっかけをくれた作品たちです」と、経営者である古賀幸子さん。専業主婦として家族のために生きてきた古賀さんが、71歳にして叶えたご自身の夢…。その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
 
独立して、仕事を始めたい!きっかけは娘のひとこと
 
 目黒の住宅街にオープンした陶器と銅版画『ギャラリー風と雲』。伊豆天神原の『工房伊集院』の陶磁器の数々、清田博氏の繊細な銅版画…。店内には独創的ながらも温もりのある作品が並びます。中でもひときわ目を引くのが、球形の陶器の灯り。店内を暗くすると、柔らかい光が木漏れ日のように広がり、影がちらちらと蝶のように揺れ動きます。この幻想的な美しさに胸打たれ、涙を流す人も多いのだそう。


「この灯りを、世界中にともしたい」と夢を語る、経営者の古賀幸子さん。まずはニューヨークでの個展に向け、準備を進めています。


「夢を望むと書いて、夢望。無謀なんですよ(笑)。でも、どんなときでも夢や希望を持って生きていれば、運命は自分の望む方向に流れていくものなんじゃないかと信じているんです」


専業主婦として四人の子育ての傍ら、人生のほとんどを、独立し起業した夫を支えて生きてきたという古賀さん。夫のため、会社のために奔走することに、やりがいを感じていました。


ところがある日、大学生になった長女の一言に強い衝撃を受けます。


「パパに従ってばかりで、ママには自分がない」


そこで初めて、自立して何か仕事を始めたい、との思いが芽生えます。


「人生に定年はなしよ!」がモットーの母とレストランを企画するなど、さまざまなことに挑戦しました。ところが50代に入ると、変形性股関節症が発症。夫の他界後、人工骨置換手術を受け、その後思いがけない後遺症で両足に障害が残ることに。60代のほとんどが、手術と入退院の繰り返しで過ぎ去りました。


「登山やスキーなど、外に出て行くのが大好きだった私にとって、拷問のような日々でした。主人もいなくなって寂しくて、痛みと痺れで夜も眠れなくて…。どうして自分ばかりこんな目に遭うのだろう、と精神的にもすっかりまいってしまいました。でも、落ち込んでばかりもいられませんよね」
 

 

陶器の灯りに癒されて…障害を乗り越え、手に入れた夢

 


 
伊豆の月ヶ瀬にある病院に、長期間リハビリ入院していた古賀さん。「伊豆は第二の故郷」と笑うほど、入院先でたくさんの友人ができました。


「月ケ瀬のお母さんなんて呼ばれているんですよ(笑)。今でもおつき合いが続いているんです」


陶芸の盛んな地、伊豆。陶器好きの古賀さんは、リハビリの休みを利用して、杖をついてさまざまな工房を見て回りました。そこで、最初に足を運んだのが『工房伊集院』だったのです。


伊豆の山並みを表現した楕円形の茶碗や、活ける花によって前後左右自由に向きを変えられる花器…。日本の風土でしか育まれない、優しい作品たち。中でも、木漏れ日をイメージした陶器の灯りに強く惹き付けられた古賀さん。この作品をより多くの人に見てもらいたいと、個展を企画します。


古賀さんの尽力と、家族や友人の惜しみない協力を得て、大磯の明治建築にて、陶器と銅版画の作品展が実現しました。来場者は千人を越え、予想以上の大盛況。「またやってほしい」という強い要望を受け、古賀さんはギャラリー創設を決意。東京に戻るとすぐ、ビジネススクールに通い始めます。


「年配の方や車椅子の方、どんな方でも気軽に足を運べるようなギャラリーにしたいと思いました」


平成18年1月。古賀さんの71歳の誕生日に、ついに『ギャラリー風と雲』オープン。看板は、学生時代からの登山仲間である作家・森村誠一さんが書いた文字を、陶芸家・伊集院 昭さんが陶器に焼成しました。
 

可能性を最大限に駆使して、これからは『お返し』の人生

 

「ギャラリーは私の生き甲斐です。仕事をしていると、両足の痛みが気にならなくなります。つい最近まで、リハビリに消えた十年が無念でなりませんでした。でも、それがなければ伊豆に行くこともありませんでしたし、ギャラリーをやることもなかったでしょう。不思議なご縁を感じます。これまでに出会ったすべての人、そしてつねに私を支えてくれる人たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。人間、60を過ぎると『お返し』の人生。自分の持っている可能性を最大限に活かし、何らかの形で社会にお返ししたいと思っています」


そんな古賀さんは月に一回、ギャラリースペースを利用して、近所の高齢者の集う会『サロン風と雲』を開いています。


「脳トレ体操をしたり詩の朗読や情報交換したり…。自由に時間を使っていただいています。皆さん、心から楽しんでくださるので、私も嬉しいんですよ」


訪れる人々の心に、温かい灯りをともしてくれる古賀さん。古賀さんとのお喋りを楽しみに、足しげく通う人が増えています。


「陶器の展示や販売だけでなく、人と人との新しい出会いが、この空間で生まれることを願っています」


オーガニックコーヒー・紅茶と、おいしい手作りケーキが楽しめるカフェもあります。都会の喧噪から離れ、癒しと安らぎのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

 


『ギャラリー風と雲』 企画展


◆清田博 銅版画展/9月12日(土)〜19日(土)細かいタッチで描かれたもので想像力が広がります。
◆伊集院昭 食器展/11月21日(土)〜29日(日)独自の手法で作陶された全て手びねりの食器。どれも目で楽しめ触れると温もりを感じます。
 
※作品はご希望により、レンタルも行っています。
 
『ギャラリー風と雲』経営者
古賀 幸子さん
 
PROFILE/古賀幸子(こが・さちこ)
1935年東京生まれ。50代に神奈川県大磯にレストラン『ドゥ ゼ アン』を母と企画。
07年、陶器と銅版画の二人展をプロデュース。08年、『ギャラリー風と雲』オープン。
◆『ギャラリー風と雲』店舗情報
住所/東京都目黒区中町1-9-18 プレアード目黒101 営業日/水・木・金・土・日 営業時間/12時〜18時 営業内容/陶器・版画等の展示販売とカフェ、小空間の多目的利用、その他イベント開催 TEL: 03-5721-0876


Back PageTop

  • 会社案内
  • プライバシーポリシー
  • ご利用規約
  • お問い合わせ
  • 広告掲載のご案内