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人生の達人

刀匠/松田周二さん 2010.10.27
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鎌倉時代の名刀の技術を基に、次は自分が造ったとわかる『ひと振り』を打ちたい

 

 カン、カン、カン… 緑豊かな千葉市郊外に鳴り響く音。ここは刀匠・松田周二さんの鍛刀場。火の粉を物ともせず、一心に手槌を振るう松田さんは、真っ赤に染まった鉄と無心に向き合っています。
 幼い頃から刀が好きで、さらに絵を描くことが好きだった松田さんは、大学で美術の油絵を専攻、本格的に絵を学ぼうと3年の時、1年間休学して東京芸術大学を目指します。しかし残念ながら3次試験で不合格。これを機に刀を造りたいと強く思うようになります。なかでも、展示会で見た人間国宝の故・宮入行平さんの刀に魅了され、弟子入りを志願。そして宮入さんの一番弟子の故・高橋次平さんの元で修行をすることに。「技術的なことは全て師匠から学びました。厳しかったですが『高橋さんのところを出たお弟子さんなら』というお墨付きもいただきました」7年間の修行の末、81年に独立。仲間の多くが地元に戻る中、松田さんは「国宝などの名刀が集まっている場所で常に本物に接していたい」と千葉に仕事場を構え、美術館や博物館に足を運び「本物」を学び続けます。
 武士道の精神性と芸術性を兼ね備えた日本刀は、日本が世界に誇る美術品としてその地位を築いています。なかでもこの世界で最高峰とされるのが鎌倉時代に造られた刀。現在、国宝に指定されている日本刀110本のうちの9割が鎌倉時代に造られた刀なのです。

 数々の刀匠たちもこの鎌倉時代の刀の再現を目指してきました。松田さんも、そのひとりとして、図書館や古本屋に通っては独学で日本伝統の精神や技術を研究。そして試行錯誤の末、96年に「手ごたえを感じる」作品を生み出します。その作品は「まるで鎌倉時代の刀のようだ。現代刀とは思えない」と海外でも高い評価を得ます。
 この道36年。「その場その場で刀を追いかけていたらこんなに時間が経っていました」と笑う松田さん。「技術のことを理解してくると、今度は古名刀と自分の刀との距離がわかるようになりました。いわゆる「名刀」の凄さが分かってきます。それに近付けるためにはもっと日本伝統の精神性を理解し、材料の和鉄から最良のものを造らないと…日々勉強です」

 職人は道具に執着すると言いますが、松田さんにはそのこだわりはありません。代わりに、「唯一必要な道具は【頭】」と言い切ります。自分が納得できる作品を残したい。松田さんの頭の中は常にそのことでいっぱいです。「今までは鎌倉時代の刀の再現に力を入れていましたが、これからは身に付けた技術を基盤に自分が造ったとわかる作品を打ちたい。こだわりすぎると周りに迷惑がかかっちゃうけど(笑)」支える家族にも感謝を忘れない松田さん。職人として技を極めんとする眼差しは、熱した鉄のごとく光り輝いています。

●次泰鍛刀場 043-228-3044

 

作業工程のひとつ「鍛練」。和鉄の塊を折り返し鍛練する。この作業を10回繰り返す。
鉄の温度は約1300℃。

 

 

 

松田周二さん PROFILE (まつだしゅうじ)
刀匠。1948年、北海道出身。北海道教育大学特設美術学科卒業後、上京。日本刀に魅せられ、人間国宝・故宮入行平の一番弟子・故高橋次平の元で修行。2006年、新作名刀展で最優秀賞である高松宮記念賞を受賞する。


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