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森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活

【第32回】博物館ビジネスは成り立つか 2014.12.28
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 【森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活】一覧はこちら

老後は自分の集めてきたコレクションを展示する博物館を作りたいという夢を語る人がたくさんいます。私もその一人でした。


ただ、私は本当にやってしまいました。10月に新所沢でB宝館というプライベート博物館をオープンさせたのです。「収支トントンになればいいな」と密かに思っていたのですが、現実はそんなに甘くありませんでした。

月10万円の売上に対して、人件費が25万、電気代10万、固定資産税15万に加えて、ビルの減価償却費が15万円かかって、雑費を入れると、1ヶ月あたり約60万円の赤字です。いまは土曜日しか開館していませんが、毎日開けたら、さらに赤字が膨らむでしょう。

私は、自分の博物館を作る前に、全国のプライベート博物館を見て回りました。博物館すべてが赤字ではなく、黒字の博物館も複数ありました。しかし、そこには共通点が3つあったのです。一つは立地です。個人博物館は、一日遊ぶ施設ではないので、観光のついででないと来てもらえません。二つは、物販などの非入場料収入で、きちんと稼いでいることです。三つは、観光客を楽しませる工夫をしていることです。例えば、触れたり、体験できたり、子供が遊んでいられるスペースを作ったりしているのです。

私は、分かっていたのですが、あえてこの3条件を無視しました。3条件を揃えれば、ビジネスとしては成立するかもしれませんが、コレクションを展示する自由が制約されますし、自分自身が遊びにいくチャンスも限られてしまうからです。

それなので、私は博物館の赤字を出稼ぎで埋めることにしました。そのため、当分の間、働き続けなくてはいけなくなってしまったのですが、私にとって最高の遊び場ができたので、私自身はとても満足しています。ただ、おもちゃの展示を手伝ってくれた妻が言いました。「あんたがこんな馬鹿なことしなきゃ、うちには豊かな老後が待っていたのにね」。

 

■ PROFILE

森永卓郎 1957年東京生まれ。経済アナリスト。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に。多数の著書を手掛け、「年金は60歳からもらえ」(光文社)を監修。ペットボトルの蓋などB級グッズコレクターでもある。コレクションを展示する博物館(B宝館)を新所沢に10月に開館!


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