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編集部だより

初・体・験 2007.04.18
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最近、生まれて初めての体験をしました。

急いで飛び乗った朝の満員通勤電車。
しかも、前日の強風で線路に覆いかぶさってしまったブルーシートが影響し、25分も遅延していました。
取材に直行していた私は、遅れるわけにはイカンと鼻息荒く人を押し退け、溢れんばかりの人の群れに体をねじ込み、乗車。
急行は頻繁に停車し、徐行しつつ、トロトロと進みます。


 

昨日、風呂に入らずに眠りこけてしまった私は、否応なく朝風呂となり朝食を取る時間がありませんでした。
鳴り響く腹の虫…、「うぅ…、腹が減った…」。
ギュルギュル鳴るお腹を押さえながら、周囲を見渡す私。
両隣では高速でケータイメールを打つ若い娘と、前面のガラズ窓に頭を打ちつけながらも果敢に爆睡する熟年女性。
人が多すぎて背後の人物像までは探ることができません。
とりあえず気付かれていないことにし、安堵した私は到着時間を逆算しはじめました。


 

と、次の瞬間、「それ」は起こったのです。


 

突然、車内の風景がゆがみ、音が遠のき、膝から力が抜け、ヘンな汗が額から吹き出し、顔色は蒼白(だったに違いない)…!

そうです。「貧血」です。
若い細い娘がよく、「フラリッ」と手を額に添えて倒れる、あの「貧血」です。
薄れ行く意識のなか、身の危険を感じながらも、私はほくそ笑んでいました。

正直に言います。
その瞬間、私は「か弱く繊細な」イメージのある「貧血」の症状に見舞われた自分に酔っていたのです。

 

 

幸運にも、まさにたった今到着した駅でヨロヨロと下車し、気付くとホームで三角座り。
ホームに降り立った瞬間、あっさりと症状は治まり、「朝ごはん抜きが祟ったのかしらん…」とキャラメル購入を決意した瞬間、
背後からガラガラガラガラと騒々しい車輪の音が。
何ごとかと振り返ると、こちらも使命感に酔いしれた表情の警備員さんが一人、車いすを携えて傍らに立っているではありませんか。


「あなた! 大丈夫ですか!! これ、車いす、乗って!!!」
「だ、大丈夫です。もう平気で…」
私の言葉が終わるか終わらないうちに、強引に引っ張り上げられ、荷物もろとも車いすに着席。
そのままホームの端から、反対側の端にある職務室まで孟スピードで連行、いえ、運んで行かれたのです。

 

その頃には、周囲の景色の見え方も、顔色も、体調もばっちり通常通りに戻っていた私は、通勤時間の込み合ったホームで、私の乗った車いすを避けて人々が右往左往しているのが文字通り痛いくらいにわかります。

ひたすら小声で「すみません…」を連発する私。
ひたすら大声で「車いすが通ります! 急病の方です!! 通してください!!!」と声を限りに訴える警備員さん。

 

春にしては肌寒い朝の中、体中が恥ずかしさで熱くなるのを感じつつ、されるがままに職務室に到着しました。

「テエヘンダ!」調にドアを開ける警備員さんを少々「?」顔で迎える駅員さん。(※ここからしばらくは駅員さんと警備員さんの温度差を正確にお伝えするため、演奏記号でお伝えします。)
駅員「どうかしました?」(メゾピアノ・やや弱く)
警備員「急病の方でっす!」(クレッシェンド・だんだん強く)
駅員「救護室のベッドが2つとも埋まってるんだよね~」(と、同時に目線は元気そうな私に)
警備員「…」(デクレッシェンド・だんだん弱く)

 

け、警備員さん、わかりやすー!
駅員さんが忙しく遅延証明書を大量生産する傍ら、「急病人」として担ぎ込まれた手前すぐに帰るわけにもいかない私は、職務室の片隅のパイプ椅子でいたたまれない時間を過ごしました。

本当に貧血で悩んでいる皆さん、ゴメンナサイ!
そして一生懸命搬送してくれた警備員さん、アリガトウ!
これからは真摯に鉄分摂取に取組みます…。


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