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森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活

【第34回】インフレの目減りを防ぐには 2015.01.28
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 【森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活】一覧はこちら

15年も続いたデフレが終わり、物価が上昇を始めました。昨年は3%程度の物価上昇となった模様です。物価上昇に合わせて、金利も上がってくれればよいのですが、銀行預金の金利は相変わらずの超低金利が続いています。日銀が大規模な金融緩和を続けているからです。お金が大量に供給されていると、高い金利を支払ってまで、お金を欲しいという人が出てこないのです。

こうした状況で、インフレから資産を守るための選択肢になりうるのが、物価連動国債です。物価連動国債は、10年満期の国債ですが、普通の国債と異なり、消費者物価に連動して、元本が増えていきます。例えば、100万円の物価連動国債を購入し、その後10年間で20%物価が上昇したとすると、10年後に元本が120万円で、償還されるのです。つまり、どんなにインフレになっても、元本の実質価値が保たれるのです。もちろん、別途、金利も付きます。この物価連動国債は以前から発行されていたのですが、個人で保有することができませんでした。しかし、今年から個人保有が解禁されたのです。

こう書くと良いことずくめのように思われるかもしれませんが、世の中そう甘くはありません。実は、この物価連動国債は、入札で価格が決まります。みなが欲しがる商品ですから、高値が付きます。昨年の入札実績では、額面100万円の物価連動国債に108万円の値段が付きました。これだと、10年間の累積で物価が8%上がって初めて普通の国債と条件が一緒になります。10年間で8%、つまり年平均0・8%以下の物価上昇率だと、かえって損をしてしまうのです。


物価連動債には元本保証が付いているので、デフレで元本割れになる心配はありません。ただ、平均の物価上昇率が1%を切ることは、十分にあり得るので、物価連動国債は、これからかなり高い率のインフレが来ると思う人にだけ、有用な金融商品なのです。


 ■ PROFILE

森永卓郎 1957年東京生まれ。経済アナリスト。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に。多数の著書を手掛け、「年金は60歳からもらえ」(光文社)を監修。ペットボトルの蓋などB級グッズコレクターでもある。コレクションを展示する博物館(B宝館)を新所沢に10月に開館!


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