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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 人を信じず、人に信用される 2023.03.22
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人生で最も大きなストレスは「人間関係」かもしれません。思い悩みすぎて心が病んだり、体調を崩すような生活を送るべきではありません。もし、人間関係に行き詰っているなら、今日から「誰も信じない」ように生きてみませんか。
他人を信じることは美徳とされますが、私が逆の境地に至った経験を話しましょう。あるオペの最中です。手術に立ち会った若い医師がミスをしました。私はすぐにカッとなりかけましたが、オペ中に憤るわけにはいかず、「若い医師に任せた自分がいけない」と気持ちを切り替えました。すると怒りはすっと消え、そのミスをカバーでき、無事に手術を終えることができました。
こうした他人への怒りの裏側には、大抵の場合は「期待」があります。私も若い医師に期待を寄せ、それが実現されなかったことで失望や怒りへ変わったのです。
こうしたストレスを抱えないためには、最初から相手を信じなければよいのです。こんな風に書くと小林はなんて冷たい人間だと思われるかもしれませんが、私にとっては「他人のせいにすることなく、自分が責任を取る」ということの決意表明なのです。
ただ、私のように割り切った付き合いができない人は、我慢の限界をあらかじめ設けておくことを勧めます。たとえば、「1か月以内に夫に旅行に連れて行ってほしい」「半年以内に知人にお金を返してほしい」などです。期限までに約束が守られなければ、相手を頼りにせず、自分でなんとかするよう切り替えましょう。その分、負担は増えるかもしれませんが、モヤモヤしていた気持ちはスッキリするはずです。
相手をあてにしなければ、何事もマイペースで進められます。それに自ら責任を負い、行動できる人の方が、結果的には周囲から信用されるように思います。確かな人間関係が築くことができれば、人生最大のストレスに振り回されることもなくなるでしょう。