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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- サウナブーム、「ととのう」の正体 2023.06.01
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「ととのい」を求め、疲れきった現代人が訪れるサウナ。私は長年、「こんなに熱くて苦しいものが健康にいいわけがない」と考えていました。実際に私が通っているスポーツクラブのサウナはいつも素通り。ところが知人からサウナの話を何度も聞いて心が動き、5年前にとうとうサウナ室の重い扉を開いたのです。
サウナには我慢しない程度まで入り、水シャワーを浴びることを2~3回繰り返しました。すると体の中に根源的なやさしさが満ちるような幸福感、そして気持ちよさを感じている自分に気づきました。私は「サウナには自律神経のバランスを整える効果があるのでは」と感じたのです。
では、サウナに入ると生命活動の維持を支え、血流をコントロールしている自律神経にどのような変化が起きるのでしょうか?
高温から低温という急激な環境変化により自律神経は刺激を受けます。その結果、熱波で温められている内は血管が拡張し、冷水により血管は一気に収縮します。その後、外気浴や室温で休憩しているとき、血管が再びゆるやかに拡張し、血液がサーっと流れ出しはじめるのです。私たちは血流が促進されるとき、「気持ちいい」という感覚を覚えます。これが「ととのう」という現象の正体です。
いつも私は、最初に1回7分間のサウナに入り、そのあとに水シャワーを浴びて休憩しています。この一連の行動を2~3回、毎日できれば朝に繰り返すようにしています。水温が16~17℃のあまり冷たくない場合、水風呂を利用しています。
これは5年間ほぼ毎日サウナに入っている私のルーティンです。個人差もあるので、無理はせず自分に合った入り方を見つけてください。目安となるのが「気持ちいい」と感覚です。私たちは体によいことをしているとき、「気持ちいい」という感覚を覚えるようにできているからです。