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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- サウナは「血管の筋トレ」 2023.06.29
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これまでも説明してきた通り、健康とは「質のよい血液を体のすみずみまで流し、病気を寄せつけない」ことです。そのためには血液の通り道となる血管をしなやかに保つことも重要となります。
そもそも血管は「動脈」「静脈」「毛細血管」に大別されます。血液の流れをコントロールするのが、私の専門分野である自律神経です。空前のブームとなっているサウナを活用すれば「血管の筋トレ」を行いながら、自律神経の状態を向上させられます。
通常、サウナでは体を温めてから水風呂や水シャワー、外気浴で体を冷やします。これを繰り返していると血流がよくなり、さらに血管はやわらかくしなやかになっていきます。また、血管の炎症を抑える一酸化窒素が豊富に分泌。血液が毛細血管にも行き渡ると、既存の血管から新しい血管ができる「血管新生」という現象も起きます。温度差による刺激により、自律神経のコンディションが向上します。
こうした効果は運動でも得られますが、運動が苦手だったり、足腰に不調を抱えていると長続きしません。その点、サウナは多くの人が利用できるのがよい点でしょう。
サウナ習慣で血管がしなやかになり、血流がよくなれば、「動脈硬化」「高血圧」「生活習慣病」などの予防・改善が期待できます。人間の免疫細胞の約7割は腸内にありますが、腸が温められるため免疫力アップにもつながります。
ただし、血管関連の病を抱え、症状が進行している人はヒートショックを引き起こすおそれがあるため、必ず主治医の許可を得てからサウナを利用してください。また、サウナに入ると動悸が激しくなったり、不整脈が出た場合はすぐにサウナ室を出てください。また、飲酒後のサウナは脱水症状に陥るおそれがあるためNGです。サウナで心と体をととのえ、血管の筋トレに努めてください。