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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座

温めれば心身が元気に 2023.08.31
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【TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座】一覧はこちら

 

 温かいスープやホットドリンクを飲み、心が安らぎ、元気になった経験は誰にでもあるはずです。それは気持ちの問題ではなく、温かい飲み物や食事が胃腸の血流を促し、心身をリラックスさせる副交感神経の働きが活性化し、自律神経のバランスが整ったことが影響しています。
 私は「温かい食事が胃腸を温め、自律神経のバランスを整える」ことに気づいてから、私は起床後にコップ1杯の水を飲む以外、できる限り冷たいものを口にしないように意識しています。
 読者の中には、いくら8月末とはいえ、温かいものばかりでは酷暑を乗り切れないと不安な人もいるでしょう。そんな場合、いつもの食事に酢や梅干し、レモンなどの酸っぱいものを少しだけ足すようにしてください。
 昔から「疲れたとき、酸っぱいものを食べよ」と言い伝えられてきたので、実際に心がけている人もいるかもしれません。酸味を摂ると胃腸が排泄反射(排泄しようとする力)を起こします。すると温かいもの口にしたときと同じく、副交感神経の働きが活性化して自律神経のバランスが整い、活力を取り戻すことができます。また、ごま油やオリーブオイルなども便通をよくし、副交感神経の働きを高める作用があります。
 実際、夏の定番メニューの冷やし中華は酢やごま油を使っています。そうめんにはすだちを絞ったり、冷製パスタにはレモンやトマト、オリーブオイルが主に使われていますし、冷麺にはキムチや酢が味のアクセントになっています。これらは先人の経験に基づいた理にかなった食事法と言えるでしょう。
 夏場は冷たいもの、体を冷やすものを口にしがちです。ただ暑さでイライラしたり、不眠のときは、夕食は温かいものにしてください。心身を温めることでリラックスし、不調が和らぐと思います。


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