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自律神経を整える「迷走神経」 2024.02.12
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 「自律神経を整えるには」と聞かれたとき、「交感神経、副交感神経の双方がやや優位に働き、自律神経のバランスを保つこと」と私は答えています。そのため、これまで自律神経のバランスを整えるのに役立つ食事や睡眠などを説明してきました。とはいえ、現代は誰もが忙しく、自律神経を乱す要因であるストレスを抱えています。もはや自律神経は常に乱れていると考えた方が現実的かもしれません。

 ストレスを受けると、体内では車のアクセルにあたる交感神経が優位になります。こんなとき、本来は副交感神経がブレーキをかけるのですが、交感神経が過剰でトップスピードになると簡単には止められません。また、この副交感神経は加齢で働きが低下することも分かっています。

 そこで注目したいのが自律神経のひとつ「迷走神経」です。迷走神経は脳から始まり臓器を巡り、それぞれの情報を伝達し合うなどの役割を果たしています。たとえば、ストレスを感じたとき、おなかが痛くなることがありますよね。これは迷走神経を介し、脳の負荷が腸に伝わった結果です。反対に腸の調子がよければ、脳も健やかになります。これを「脳腸相関」と言います。

 実はこの迷走神経が副交感神経を支配しています。迷走神経がしっかり働けば副交感神経の機能が高まり、交感神経の過度な高ぶりを抑えるため、体は安らぎ、心は安定していきます。

 迷走神経をきちんと働かせる方法のひとつが「呼吸」です。呼吸の際、リラックスした状態で3~4秒をかけて鼻から息を吸い、6~8秒で口からゆっくり吐くことを意識してみてください。ゆったりとした呼吸により迷走神経が刺激され、しっかり役割を果たすようになります。また、この呼吸は自律神経自体のバランスを整える効果もあります。何かと乱れやすい現代は「整える習慣」を身につけることが重要です。

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