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- 不安にとらわれないコツ 2025.08.04
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「老後に不安を感じますか?」と聞かれ、「感じない」と言い切れる人はどれほどいるでしょうか。
20~60代の500人以上を対象にインターネットで行った「老後の不安に関する意識調査」(株式会社セコム、2021年)によると、「老後に不安を感じる」と答えた人は8割以上になりました。また、不安の内容をみると「病気やけが」と答えた人は全体の8割以上、「経済的負担」が全体の6割以上、「介護」が全体の5割以上という結果になりました。
人間の思考は不思議なものです。ひとつの不安があると、それに付随してさまざまな不安が押し寄せてきます。たとえば、「将来、病気になるかもしれない」という不安が過ぎったら、「病床に伏せた私の面倒をみてくれる人がいるだろうか」と考え、そして「貯金は大丈夫だろうか」などの不安が次々と湧いて出てくるのです。
ただ、こうした不安を感じているときのことを思い出してください。もしかすると暇だったのでは? 時間を持て余していると、頭の中だけが忙しくなり、不安を増幅させることがあります。
一方、いつも忙しく動き回っている人は、こうした不安をそう口にしないはずです。今、取り組んでいる目の前のことに集中しているからです。
老後は誰もが不安でしょうが、将来に何が起きるかは誰にも分かりません。分からないことを必要以上に不安に思っても仕方のないことです。
こうした不安にとらわれない方法はひとつ。とにかく動くことです。できれば、新しいことにチャレンジしてください。慣れないことに取り組めば、失敗が増え、新しい心配事も出てくるかもしれません。けれど、不安にとらわれて縮こまるより、新しいことを始め、今までに感じたことのないワクワクに出会った方が、人生を健康的に過ごせると思っています。