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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 水素を活用! 「サビない腸活」 2025.11.04
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老化や病気を招くと考えられる活性酸素と密接に関わるのが「腸」です。
腸内環境が悪化すると有害菌が増殖し、アンモニアなどの有害物質を生みます。実は活性酸素は免疫をサポートする面もあり、腸内に集まって有害菌を駆除します。
しかし、腸内環境が悪い状態がずっと続くと問題が起きます。活性酸素がどんどん増えていき、正常な腸の細胞や腸内細菌まで攻撃。腸は吸収した栄養を体の隅々に届けますが、腸内環境を改善しないと有害物質や増えすぎた活性酸素を全身に次々とばらまくのです。
この事態を免れるために実践したいのが「サビない腸活」です。サビない腸活は抗酸化力が高く活性酸素を消去する「水素」の力を活用し、腸内環境の回復を目指すものです。
ここで注目したいのが、約40兆以上ある腸内細菌を健全に動かすための重要な役割を担う「短鎖脂肪酸」。食物繊維などを分解する過程で生み出されたもので、「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」などがあります(酢酸はお酢。腸内細菌が作り出す「お酢の仲間」と考えてください)。
短鎖脂肪酸の働きは優秀そのものです。「腸のエネルギー源」「腸内細菌を増加」「腸のぜん動運動を高める」「腸内フローラの働きを高める」などのほか、腸壁粘膜のバリア機能を高める役割も果たします。
さらに腸粘膜から吸収された短鎖脂肪酸は、血液とともに全身を巡り、体の各所で生じている炎症を抑制したり、体内の脂肪細胞に作用して脂肪燃焼効率を高めます。
本題に戻りますが、この短鎖脂肪酸が作られる際に、強力な抗酸化パワーを持つ「水素」が発生することが分かっています。つまり、短鎖脂肪酸をどんどん作り出せば、自動的に多くの水素を発生でき、活性酸素の悪さを阻んでくれるのです。短鎖脂肪酸を増やすには食物繊維(とくに水溶性)を摂るのがポイントですが、詳しくは次回で説明します。









