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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座

「食物繊維」で活性酸素を対策 2025.12.04
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 前回は活性酸素を減らすのに役立つ「水素」、腸内で水素を生む「短鎖脂肪酸」の重要性を紹介しました。

 短鎖脂肪酸を増やすために、積極的に摂りたいのが「食物繊維」です。食物繊維は腸内に長く留まり、余分な糖や脂肪を吸着しながら発酵します。発酵した食物繊維は有用菌のエサとなりますが、その際に短鎖脂肪酸が作り出され、同時に水素も発生するのです。

 食物繊維は「不溶性」「水溶性」の2つがありますが、短鎖脂肪酸を増やすには水溶性(キャベツ、にんにく、玉ねぎ、おくら、きのこ、海藻類、豆類、納豆、アボカドなどが豊富)が効果的です。ちなみに酢自体が短鎖脂肪酸のようなものなので、酢と合わせたり、酢漬けにして食べるのが望ましいです。

 さらに食物繊維は、活性酸素対策に役立つ「日和見菌」にも有効的に働きます。腸内細菌は有用菌(善玉菌)、有害菌(悪玉菌)、日和見菌の3つに大別されます。日和見菌は有用菌が優勢なら有用菌側、有害菌が優勢ならば有害菌に加担します。

 この日和見菌には「フィルミクテス」「バクテロイデス」の2大派閥があり、これらも水素を産生するため、増やすことが望ましいです。

 フィルミクテスは炭水化物や甘いもの、肉類などを食べていると増加しやすくなります。ただし、有害菌の仲間になりやすいため食べ過ぎは禁物。

 一方、バクテロイデスは食物繊維が豊富な食材を食べると増えやすく、有用菌の仲間になりやすいことが分かっています。

 日頃は「炭水化物や甘いものは控えめ」「肉(魚や卵、大豆などのたんぱく質)は毎食1品」「食物繊維は1品から3品を積極的に食べる」ようにしましょう。

 活性酸素の害を受けやすいのが60歳以降。日頃の食事を見直し、水素を作り出しやすい腸内環境に整え、腸から病気や老化の進行を防いでいきましょう。

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