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日本の歌をボサノヴァにのせて、皆さんともっと深く繋がれたら嬉しいです 2014.10.20
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「新しい傾向」という意味を持つブラジル音楽のボサノヴァ。1950年代後半、リオ・デジャネイロの若い音楽家が生み出した音楽です。
ギターで刻む特徴的なリズムと囁くような歌声。そんなボサノヴァをうたう小野リサさんが、新アルバムを発表しました。

 

■内気な少女時代 

ブラジルで育んだ音楽という表現

 「日本に来たときは、ブラジルがとても恋しかったです」  そう語るのは、ボサノヴァ歌手の小野リサさん。幼少時代をブラジルで過ごし、父親がライブハウスを経営していたこともあり、常に音楽に囲まれた環境で育ちました。

 世界中のステージで堂々とした姿を見せる小野さんですが、子供の頃はとても内気だったと言います。「話すことは苦手でしたが、歌はなにより得意でした。自分を表現する手段として、母に歌は続けるよう言われていました」  ブラジルで音楽という表現を育んでいった小野さん。しかし10歳になった年、一家は日本に帰郷します。幼い彼女には、日本は異国そのものでした。

 多様な人種、おおらかで陽気な気質、原色が溢れる街の色、眩しい太陽、そして音楽。故郷を思い、ブラジル音楽を聴いて過ごす日々が続きます。ボサノヴァをうたい始めたきっかけも郷愁の気持ちからだったそうです。「言葉を忘れたくない、故郷と繋がっていたいという思いがありました。ボサノヴァをうたっている間だけは、寂しさが和らぎました」  父親の経営するレストランでうたっていた小野さんは、そこでの演奏が評判となりCDデビュー。心地好いギターの音色とポルトガル語でうたう清涼感のある歌声で、ボサノヴァを日本に強く印象付けます。

 その後、ボサノヴァの新境地を求め、世界へ目を向けた小野さん。アメリカ、フランス、中近東、アジアなどの名曲をボサノヴァでうたい、各国でコンサートを開催。ボサノヴァ歌手小野リサの名を世界に広める旅の始まりでした。

 

■世界の旅で芽生えたもうひとつの故郷 日本への思い

 

 世界を巡る旅の中でも、小野さんは日本への思いを心の片隅に持ち続けてきました。  〝日本語でうたい、感謝の気持ちを届けたい”  「デビュー当時は、個性を出すため、ポルトガル語にこだわっていました。活動を続けるうち、外国語でうたう私を受け入れ、ボサノヴァを愛してくれた日本の皆さんに感謝の気持ちを届けて、もっと深く繋がりたいと思うようになりました。豊かな日本語をボサノヴァのリズムにのせることは難しく挑戦できずにいましたが、ようやく心に届くような歌をうたえる自信がつきました」

 故郷ブラジルを懐かしむためにうたったボサノヴァは、もうひとつの故郷日本に感謝を表す歌へと変化し、2011年、日本の名曲をうたう『Japao』シリーズが誕生しました。  『Japao』で日本の歌をうたいたい気持ちが止まらなくなった、と小野さん。シリーズは続き、今回で3作目となる『Japao3』は、〈赤坂の夜は更けて〉や〈雨に濡れた慕情〉など、60年代~80年代の歌謡曲を多く収録。小野さんがうたう昭和の恋の歌は、耳に心地よく郷愁を誘います。昭和ロマン溢れる表現とボサノヴァの洒脱さ、ふたつの国の音楽の魅力が絶妙に調和した作品は、まさに小野さん自身を表現したようです。「肩の力を抜いて楽しんでくれたら嬉しい」と、最後にアルバムへの思いを語り、太陽のような笑顔で微笑みました。

 思いやりの心を忘れない日本と大らかなブラジル。ふたつの故郷の誇りを胸に、これからも小野さんの音楽の旅は続きます。

 

■プロフィール

歌手/小野リサ

おの・りさ ブラジル・サンパウロ生まれ。1989年デビュー。世界各国でコンサートを成功させ、ボサノヴァ歌手の第一人者として精力的に活躍。2013年、ブラジル政府よりリオ・ブランコ国家勲章を受ける。

 

 

インフォメーション

『Japâo 3』  ジャポン トレス

3,240円(税込)発売中
発売元:ドリーミュージック MUCD-1310

 

【コンサート情報】

小野リサ Japao tour
~ボサノヴァでめぐる世界の音楽の旅~
■11月23日(日) 17:00~ 東京国際フォーラムホールC

【問】キョードー東京 0570-550-799

 

 

 

 


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