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芸能人インタビュー
- 人生の機微を歌い、こころを温め励ましてくれる。本当に演歌は良いものですね 2020.11.16
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デビュー35周年を迎えた島津亜矢さん。天性の張りと艶のある歌声で演歌だけでなく、歌謡曲や最新ポップス、洋楽とさまざまな歌に挑戦し、近年は″歌怪獣”とも称されています。天才少女と呼ばれたデビュー時から、これまでの歩みについてお聞きしました。
「根性と喉が腐らなければ何とかなる」 心支えた恩師の言葉
「よろしくお願いします」。深々とお辞儀をし、気品ある着物姿で登場した島津亜矢さん。明るく朗らか、謙虚さがにじむ言葉、そして「あははは!」と、豪快な笑い声。圧倒的な歌唱力で幅広い世代に人気の島津さんは、物心つく頃にはすでに歌が、特に演歌が大好きだったと言います。
「絶対、胎教だと思うんですが、母が演歌が歌える子になるよう、私がお腹の中にいる時によく聴いていたそうなんです。子どもの頃から北島三郎さんが大好き。やっぱりお腹の中で聴いていた音楽が一番心地良いからじゃないでしょうか」
島津さんの出身地、熊本県はちびっこのど自慢大会が盛んで、幼少時からグランプリを数々受賞。なんと6歳までに獲得したトロフィーは100本以上に! そして14歳で上京。作詞家の星野哲郎さんに弟子入りし、翌年『袴をはいた渡り鳥』でデビューします。
「幼かったですから泣くこともありましたが、振り返ってみると、とてもまわりに恵まれていました。辛い時は星野先生が『お前の根性と喉が腐らなければなんとかなるから前を向け!』と励ましてくださり、その言葉が心の支えになりました」
デビュー後『愛染かつらをもう一度』『帰らんちゃよか』など、ヒット曲を出し、NHK紅白歌合戦には現在まで6度出場。さらにジャンルを超えた歌でも注目を集めます。
「ずっと演歌歌手はこうあるべきと、自分を縛っていたように思います。ここ数年でいろいろな歌に挑戦し、違うジャンルの方とお仕事をして、新しく気づくことが沢山ありました。歌は心から楽しむことが大事なんだ、と」
洋楽、ロック、ポップス、昭和歌謡……。島津さんの彩り豊かに変化する歌声には驚きと感動を覚えずにはいられません。カバーアルバム「SINGER」シリーズも好評です。
「以前よりも自由に歌えるようになりましたし、さまざまな歌に挑戦できる今の環境はとても幸せ。でも、根底にあるのは演歌歌手としての誇りです」偉大な大先輩の温かい心にふれた35周年記念曲『眦』「人生の機微を歌い、心を温め励ましてくれる。本当に演歌は良いものですね」と、演歌への想いをしみじみと語る島津さん。
「北島三郎さんの舞台は悲しい歌じゃなくても涙が出るんですが、それは北島さんの温かいお心が伝わるから。演歌の先輩方に接する度、歌手だけでなく人としてどう生きるかが大事なんだと実感させられます。35周年記念曲の『眦』は北島さんに作曲していただいたんですが、9時間くらいかかったレコーディングに、ずっといてくださって。しかもお怪我をされていたのに。長年第一線でご活躍されているのは、きっとこの温かいお人柄が愛されているからではないでしょうか。私は歌うことしかできませんが、素晴らしい先輩方の心を次の世代に伝えるのも役目だと思っています」
控えめですが島津さんの言葉は力強く響きます。そんな島津さんの心もファンに伝わっているはず。10月初めに開催した約7か月ぶりのコンサートの光景がそれを物語ります。
「掛け声ができないので、皆さん気持ちを表そうと、一生懸命拍手したり″待ってたよ”とか″会いたかった”と、プラカードを作ってきてくださって。最初から泣きそうになってしまいました(笑)。顔を見て、空気を感じて、お客様の前で歌うのはこんなにもありがたいことなんですね。今年は『眦』もステージであまり披露できていないので、これから沢山皆さんの前で歌いたい! 一生懸命、心をこめてお客様に歌を届けていきたいです」。■プロフィール
歌手/島津 亜矢
1971年熊本県出身。作曲家、高木東六に絶賛され、NHKのオーディションに最高得点で合格。14歳で作詞家、星野哲郎に弟子入りし翌年『袴をはいた渡り鳥』でデビュー。1991年には『愛染かつらをもう一度』がヒット。2001年、NHK紅白歌合戦に初出場し、現在までに計6回の出場を果たす。カバーアルバム「SINGER」シリーズはこれまでに6作をリリース。来春には7作目のリリースを予定している。
■インフォメーション
島津亜矢「35周年大全集」
デビュー曲『袴をはいた渡り鳥』から『眦』まで、演歌歌手・島津亜矢の35年の歩みを収めた3枚組・全44曲。
TECE-3613~5 発売価格:5,000円(税込)
発売元:テイチクエンタテインメント)