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芸能人インタビュー

他人と関わりを持たない社会。寛容さがあれば、世の中は 今よりうまくいくのかな 2021.11.16
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60年にデビューし、女優として確かな足跡を刻んできた加賀まりこさん。若い頃から注目されてきた奔放な言動など、加賀さんらしさは決して変わることはありません。「私にとって自然な生き方です(笑)」。現在公開中の主演映画『梅切らぬバカ』についてお聞きしました。

 

若き日に舞台で味わった忘れられない女優としての感動

 「女優業の醍醐味?今でも分からないわ。でも、65年の舞台『オンディーヌ』は忘れられないですね。目の前のお客さんが総立ちし、送ってくれた喝采はこたえられない感動があった」
 女優として味わった感動を目を輝かせて話す加賀さん。今年でキャリア61年目を迎えました。
 「今は体力を考え、年齢相応に仕事と向き合っています。年金をもらっていますから、お金のために仕事する必要もありません(笑)。自分の気持ちが動いた仕事だけを受けていますね」
 そんな加賀さんが強く共感を覚えたのが、中年となった自閉症の子どもに、愛情を注ぐ老いた母親の日常を描いた映画『梅切らぬバカ』(11月12日公開)。加賀さんは54年ぶりとなる主演を務めました。
 「身近にも自閉症の人がいますが、自閉症の方に対して世間から冷たい視線が向けられているように感じていました。自閉症の人、その家族の日常を描いた作品はあまりなく、この映画を撮ってもらえることが本当にうれしかった。映画が障害を持った人々に温かい眼差しを向けるきっかけになれば何よりです」

 都会の古民家に暮らす親子。息子の将来を考える母を好演

 都会の住宅地で暮らす母・珠子、自閉症の息子・忠男。決まった時間に起床し、朝食する忠男に合わせて朝支度に勤しむ珠子。ふたりが暮らす古民家の庭には梅の木が植えられているが、枝は伸び放題だった。梅の木と共に月日を重ねてきたが、忠男の50回目の誕生日に珠子は気づく。「このまま共倒れになっちゃうのかね?」。そんなある日、隣に引っ越してきた住民から「梅の枝が邪魔で道が通れない」と苦情が届く。珠子は梅の木を切ることを決意し、そして将来を考えてグループホームへ忠男の入居を決めるのだが…。
 加賀さんが演じたのは、忠男(塚地武雅さん)を愛する母親の珠子。忠男に白い目を向け、遠ざけようとする近隣住民とは膝を突き合わせ、話し合いで調和を図ろうとする芯の強い女性です。
 「自閉症などに限らず、他人と関わりを持たない社会になっているでしょ。若い人がとくにそうだけど。こういう映画を見て、もっと会話してくれるといいと思うんだけど。
 撮影現場でも、コミュニケーションを取ろうと側に来てくれる若い役者は少なくなったよね。人間に興味ないと役者なんかできないんだけど…。私が若い頃は先輩に話しかけ、多くのことを教わりました。自分の言葉で現場にいることが大事だよと。時にそれが生意気とも言われました」
 世間の決まりごと、しきたりにとらわれない生き方が注目されてきた加賀さん。他人からの視線や注目をどのように感じていたのでしょうか。
 「他人が私をどう思うかなんて、なんの興味もありませんでしたね。それは母の影響が大きいかな。あるとき、私が未婚の母となったことを身内に咎められる姿を見たことがあります。反論するでもかばうわけでもなく、その言葉を母は受け流していましたから」
 この映画ではシビアな現実や埋まることのない溝だけでなく、新たな絆も描いています。他人と共存するためのヒントが隠れているかもしれません。
 「コミュニケーションを取ったり、優しさを持つことは重要ですよね。そのためには、教養や性格、いろんな経験を積むことが大切なんだと思います。みんながもう少し寛容さを持てば、世の中は今よりうまくいくんじゃないかな」

●ヘアメイク:野村博史、スタイリスト:飯田聡子 

 

■プロフィール

女優/加賀まりこ

1943年東京都生まれ。15歳のときに週刊誌の表紙を飾ったのをきっかけに芸能界へ。1962年、映画『涙を、獅子のたて髪に』、ドラマ『48歳の抵抗』で女優デビュー。映画を中心に女優として活躍するほか、劇団四季の舞台『オンディーヌ』(65)に出演。1981年に『泥の河』でキネマ旬報助演女優賞受賞。テレビや映画で活躍する。

 

 

■インフォメーション

「梅切らぬバカ」

 シネスイッチ銀座ほか

全国公開中

■監督・脚本:和島香太郎
■出演:加賀まりこ、

塚地武雅、渡辺いっけい、森口瑤子、斎藤汰鷹、林家正蔵、高島礼子

 


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