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いただいた命を全うする大切さ。最期まで支える人がいる世の中であってほしい 2022.06.20
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日頃から散歩によく出かけるという倍賞千恵子さん。「以前は坂が嫌でしたが、鍛えられるので今ではありがたい」とチャーミングに笑います。6月17日から主演映画『PLAN75』が公開中です。観る者に生と死を考えさせる社会派作品についてお聞きしました。

 

75歳以上に死が認められる衝撃作。「脚本を閉じたくなる内容」

 人生を悔いなく終えるため、また遺された家族に負担をかけないよう「終活」に取り組む高齢者が増えてきました。もし、その終活のひとつに〝死を選ぶことが認められていたら──〟。映画『PLAN75』は、75歳以上の高齢者に対し、国から死ぬ権利が与えられるという衝撃作です。

 「脚本を読み始め、ショッキングなシーンで思わず本を閉じようかなと思いました。けれど、読み進めていくうち、登場人物がそれぞれの立場から命を考え、生きていることが心に伝わってきました」と話すのが主演を務めた倍賞千恵子さんです。

 夫と死別し、老後をひとりで暮らす78歳のミチ(倍賞千恵子)。ホテルの客室清掃員の仕事を解雇され、職と住む場所を失い、自ら死を選ぶプラン75を検討していました。一方、プラン75の申請を受け付けるヒロム(磯村勇斗)、不安を抱く申請者をサポートするスタッフ瑶子(河合優実)は、業務に携わるうちに疑問を抱き…。超高齢社会が抱える課題、プラン75の制度に翻弄される人々、そして命の在り方について描いた本作。撮影中、倍賞さんには、ひとつの思いが巡っていました。
 「ずっと生きること、死ぬことを考えましたし、いただいた命は全うしなければいけないと改めて感じました。
 渥美(清)さんをはじめ、私の周りで亡くなる人が多くなってきました。そんな時期に、たまたま近所のお蕎麦屋さんでご住職とお会いしたんです。思い切って『死』ってどういうことか尋ねると、『生
きること』だと教えてくださいました。最初は『えっ』と思ったのですが、少し考えると腑に落ちました。人は必ず死ぬけれども、逆に死ぬ瞬間までは生きている。生の先に死があり、そしてそこまでどう生きるかということなんですね」

 すれちがう人に挨拶、出会いの先にはステキなことが待っている

 生と死はつながっている──その教えは倍賞さんの生きる原動力となりました。
 「生きている以上、もっと楽しく生きなきゃって。友人と一緒に積み立てをして温泉に行ったり、たまには奮発して豪華なランチをしています。ひとりのときはお花を見たり、仲良しの犬に会うため散歩に出かけます。近所の白い柴犬ハクは、垣根の隙間からひょっこり顔を出している子。飼っていた柴犬が亡くなり、新たに飼いたいけれど年齢的に最期まで面倒みられないでしょ。ハクに会うのも楽しみ。遠くから口笛を吹くと応えてくれますし、私を家に招こうと誘ってくるんですよ」
 下町の巣鴨で生まれ、デビュー後も庶民派女優として歩んできた倍賞さん。朗らかな人となりは、大女優となっても変わりありません。今も近所の人に花をもらったり、困っている方に声をかけることもあるそうです。
 「人と出会うと、きっとステキなことが待っています。すれちがう人に『こんにちは』って声をかけるだけでも日常が変わります。相手が応えてくれなかったら? それでもいいじゃない。今はマスクしているんだから、ちっとも恥ずかしくないわ(笑)」
 最後に同世代の人へエール、そして高齢化に向かう世の中に対し切実な願いを訴えます。
 「あちこち体が痛く、引いてしまう気持ちも分かります。健康的な事情で家に閉じこもっている方もいるかもしれません。頑張って一歩を踏み出したり、外出が難しければ家の窓を開けてください。新鮮な風を感じるだけで気持ちは随分と変わるはずです。たとえ動けなくなっても最期まで支える人がいる──そんな世の中であってほしい」

 

■プロフィール

女優/倍賞千恵子

1941年生まれ、東京都出身。1960年に松竹音楽舞踊学校を首席で卒業。 同年、松竹歌劇団(SKD)へ入団。 翌年、映画『斑女』でデビュー。 62年に「下町の太陽」で歌手デビューし、同曲でレコード大賞新人賞を受賞。『男はつらいよ』シリーズ全作品にさくら役として出演。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ多数の受賞歴があるほか、紫綬褒章と旭日小綬章を受章。

 

 

■インフォメーション

PLAN 75

6月17日㈮から新宿ピカデリーほか全国公開中

■監督・脚本:早川千絵
■出演:倍賞千恵子
磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美

 

 


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