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全てを見られる舞台は本当に怖いところ。でもそこで感じる高揚感は何にも代えられない 2022.09.20
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ミュージカルやストレートプレイを中心に、映画やドラマなど幅広く活躍する元宝塚トップスター・安蘭けいさん。10月2日まで上演中の舞台『血の婚礼』では、傷つきながらも逞しく生きる母親を熱演されています。そんな安蘭さんに、役の印象や演劇への想いを伺いました。

 

愚かしいほどの愛と衝動の物語『血の婚礼』


 「役者に向いていないなと思ったことは、もう何度もあります。何なら今でも思っています(笑)」
 宝塚星組男役トップスターとして絶大な人気を誇り、退団後も類いまれなる歌唱力と確かな演技力を生かして数多くの舞台に出演してきた安蘭けいさん。しかし、輝かしいキャリアとは裏腹に、自身の役者人生には挫折や思うようにいかないことが数多くあったと話します。
 「自分の実力と与えられたものにギャップがあると、自分の至らなさを感じさせられてすごく落ち込みます。理想の形にぜんぜん追いつかなくて悩んだり、別の仕事をした方がいいのかなと思ったり…。とは言え、他のことをする知恵もないし、私には舞台に立つこと以外、本当にできることが無いんですよ。お恥ずかしながら。たとえ他の仕事ができたとしても、結局ここに戻ってくるような気がします。やっぱり好きなんですよね、舞台が」
 迷い、悩みながらも役者として一途に歩んできた安蘭さんは、今また新たな作品に向き合われています。それが現在Bunkamuraシアターコクーンで上演中の舞台『血の婚礼』です。一人の花嫁をめぐり、花婿と花嫁の元恋人が命を懸けて闘う本作は、スペインの伝説的劇作家・ロルカによる官能的な名作悲劇。安蘭さん演じる花婿の母親は、夫と長男を殺された過去を持ち、いま末息子にも不穏な影が迫っているという悲劇的な女性…ですが、稽古が進むにつれ、悲しみや辛さだけではない母親の本質が見えてきたそうです。
 「最初母親には悲劇のヒロインのようなイメージを持っていたのですが、実はものすごく逞しい女性で。例えば、母親が花嫁を奪われた息子に後を追いかけるよう言うシーンがあるのですが、行かせたら息子は死んでしまうかもしれないと母親もわかっているんですよね。でも『男とはそういうもの、だからお前は行きなさい』と。しかもそれを何だか嬉々として言っているような感じがあって。だからこの母親は想像よりずっとタフで、彼女自身が周囲をぐちゃぐちゃにする台風の目のような気質があるんじゃないかなと思っています。
 私ですか? 私はこう見えて言いたいことを言えずに内に秘めるタイプです。なぜか好きなことを言って生きているように見られがちではありますけど(笑)。仕事となると自分の役や作品について演出家や演者に意見をぶつけられるのですが、いざオフになって素の自分に戻ったときには言えなくなってしまうんですよね」

劇場の中で起こる嘘のない瞬間が私は大好き

 普段は引っ込み思案だと言う安蘭さんですが、ひとたび舞台に立てば与えられた役を堂々と演じ切り、カーテンコールでは清々しい笑顔を覗かせます。そんな安蘭さんに改めて舞台の魅力を伺うと。
 「例えば映像だと、自分の演技が編集によって作られることもありますが、舞台は自分の演技を自分で握っているので、こちらが発したものをお客様が直接拾ってくれて、一つ一つの瞬間に嘘が無い。そんなところがとても好きですね。ただ、全てを見られている分、役者の嘘はすぐお客様に伝わりますし、失敗しても当然やり直しできません。そこは非常に怖いところでもあるのですが、やりきったときの高揚感や達成感は何ものにも代え難い…。もしかしたらその感覚のために、私は舞台に立ち続けているのかもしれませんね」

 

 

 

■プロフィール

女優/安蘭 けい

1970年滋賀県出身。1991年、宝塚歌劇団へ首席入団。04年、現役の宝塚歌劇団生では初の松尾芸能賞新人賞に輝き、06年には星組男役トップスターに就任。『スカーレット・ピンパーネル』などで高い評価を得たのち09年に退団し、以降舞台を中心に活躍。2023年1月にはミュージカル『キングアーサー』への出演も控える。

 

 

■インフォメーション

「血の婚礼」

作/フェデリコ・ガルシーア・ロルカ 

翻訳/田尻陽一 

演出/杉原邦生 

出演/木村達成 須賀健太 早見あかり 安蘭けい ほか 

会場/Bunkamuraシアターコクーン 

日程/10月2日(日)まで上演中 

料金(全席指定・税込)/S:9,800円 A:7,800円 コクーンシート:6,000円

【問】ホリプロチケットセンター 03-3490-4949(平日11:00~18:00)

 

 


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