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50年やってきましたが、こんな作品と出会えるなんて若い頃は想像もしていませんでした 2023.08.28
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黒澤明監督の映画を世界で初めてミュージカル化した『生きる』が9月7日から新国立劇場 中劇場で始まります。日本中が涙し、ジャパニーズミュージカルの金字塔と称される本作。3度目の上演となる今回も主役を務めるのは演劇界のレジェンド・鹿賀丈史さんです。

生きることとは何かを問う国産ミュージカル『生きる』

 「一般的にミュージカルと言えば、芝居をして、歌って、踊る人もいて、そこに基本的な面白さがあるのですが、この『生きる』に関してはショーアップし過ぎると違う方向に行ってしまうのではという思いがあります。やはり1952年の日本をリアルに生きている人間たちの話なので、舞台でもそのリアリティがなくなってしまうと成立しないんですよね。そこで本作では、なるべく芝居をせず、歌も歌うんだけれど、歌わないと言うことに挑戦しています。このすれすれ具合いがやっていてすごく面白いし、スリリング。だから所謂ミュージカルだと思って観に来てくれたお客さんは、あれ? と思われるかもしれませんが、よーく観ていただくと、ミュージカルの楽しさとストレートプレイの感動を両方味わえる、そういう作品になっていると思います」
 定年間近の渡辺勘治はある日、自らが胃癌であり余命わずかだと知る。振り返ると、意味のあることを何一つ成し遂げていない人生。今からでもできることはあるのか。同じ職場で働く小田切とよの言葉に心を動かされ、渡辺は人生をかけた決意をする――。日本を代表する俳優、演出家、世界的クリエイターが集結し創り上げた『生きる』。鹿賀さんは主人公・渡辺勘治を演じます。
 「仕事終わりに飲みに行くこともなければ、同居する息子とも折り合いが悪いし、奥さんは早くに亡くなっている。そういう意味で渡辺勘治は孤独なんですよね。生きるって言うのは人との交わりで実感できるものですから、彼のような人間は生きている感覚が薄いのかもしれません。でも、とよに出会ってハッとするわけです。今まで俺は何をしてきたんだろうと。『遅くはないのか。間に合うのか まだ。私の命燃え尽きたわけじゃない』。一幕の最後で歌う『二度目の誕生日』ですね。実はこの歌詞、演出家の宮本亞門さんに歌わないで喋りましょうと言われたんです。普通ミュージカルをやっていると、ほとんどの演出家は『ちゃんと歌ってください』と言いますが、今回はその逆。ここが亞門さんの素晴らしいところで、ミュージカルの枠に囚われていないと言うか、芝居の延長でスーッと歌に入っていくんです」
 そして、『いのち短し 恋せよ乙女』のフレーズで始まる日本人には馴染み深い『ゴンドラの唄』は、劇中で二度登場。余命宣告直後とラストシーン、対照的な場面で二回歌われるこの歌に、物語の巧みさが表れていると鹿賀さんは話します。
 「余命宣告されて、もうどうしたらいいか分からない状況の中、奥さんの遺影の前で『ゴンドラの唄』を歌うんです。でもどこか心の拠り所がなくて歌えない。ミュージカルなのに(笑)。それがラストシーンでブランコに乗って歌う時には、自分なりに人の役に立てた、生きた証ができたと言う思いがあるから歌える。そして亡くなっていく。この対比が物語としてよくできているなと思いますし、ミュージカルとしても相当質の高い作品だと思います」

 人生の節目にあった出会い「俳優として相当恵まれている」

 「50年やってきて、こういう素晴らしい作品に出会い、しかも再々演できるなんて若い頃は想像もできませんでした。でも今思えば、20代を劇団四季で過ごし、30代で松田優作さんらに出会い、舞台復帰後は『トーチソング・トリロジー』に『レ・ミゼラブル』と、節目節目でいい出会いをしているんですよね。そしてこの『生きる』。また大きな作品に出会ったなぁと思うと同時に、再びできる喜びを感じています。今回も間違いなくいい作品になると思うので、ぜひ多くの方に観に来ていただきたいです」

 

 

■プロフィール

俳優/鹿賀 丈史

1950年石川県出身。1972年に劇団四季へ入団し、翌年『イエス・キリスト=スーパースター』で初舞台を踏む。退団後は『野獣死すべし』(80)など映画やテレビドラマを中心に活躍。93年から放送された『料理の鉄人』ではバラエティの才能も見せた。舞台復帰後は数々の名作ミュージカルに出演。『レ・ミゼラブル』、『ジキル&ハイド』で菊田一夫演劇大賞を受賞した。

 

■インフォメーション

Daiwa House presents

ミュージカル「生きる」

演出/宮本亞門 

出演/市村正親 鹿賀丈史(ダブルキャスト)ほか 

会場/新国立劇場 中劇場 

日程/9月7日(木)~24日(日) 

料金(全席指定・税込)/S席:14,000円 A席:9,800円

【問】ホリプロチケットセンター

03-3490-4949(平日11:00~18:00 土日祝休)

 

 


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