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芸能人インタビュー
- 僕たちがつくるのは娯楽なので、面白いという一言がエネルギーになるし救われるんです 2024.01.15
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俳優として20年以上活躍する永山瑛太さん。コミカルな役も影のある役も、幅広く演じる表現力の高さで注目を集め続けています。最新作『身代わり忠臣蔵』では、ムロツヨシさんと共演。永山さんが演じる大石内蔵助や主演を務めるムロさんについてお聞きしました。
笑って泣ける痛快時代劇! 新しい「忠臣蔵」誕生!
「演じている時が一番楽しいですね。日々の中で演じるという仕事をしながら、自分を確認するのが一番合っているというか、ちゃんと生きている感じがするんです」
穏やかな佇まいに、精悍さや鋭さも感じさせる永山瑛太さん。最新出演作では、数々の名優が演じた「忠臣蔵」の大石内蔵助を演じています。永山さんがこの役を受けたのは、主演のムロツヨシさんの存在が強くあったと言います。
「ムロ君が一人二役を演じるというのを聞いて、きっと面白い作品になるはず、と即決しました。20代前半からムロ君の芝居を見てきましたが、僕の中の俳優という職業や芝居に対する固定概念を壊してくれたと思っているんです。ムロ君は立ち止まってもう一度向き合おう、と思わせてくれる唯一の人。完成した作品を観て、やはり唯一無二だな、と強く感じました」
永山さんとムロさんの20年ぶりの映画共演となる『身代わり忠臣蔵』。ムロさんは嫌われ者の殿・吉良上野介とその弟、孝証の一人二役を務めます。上野介に家を追い出され、なまぐさ坊主として放浪する孝証。金の無心に帰ってきたところ、赤穂藩主に切りつけられた上野介の身代わりとなり幕府を騙す策に手を貸すはめに。さらに、赤穂藩家老の大石内蔵助とひょんなことから知り合い、意気投合。孝証と大石は、赤穂浪士の吉良家討ち入りを阻止するため、一世一代の大芝居を打つべく共謀するが…。
脚本を担当しているのは、土橋章宏さん。『超高速! 参勤交代』や『引っ越し大名!』などの時代劇を手掛けています。
「土橋さんの世界観は、良い意味で観客を裏切ってくれますが、今作は正直時代劇として大丈夫だろうか、と心配する部分もありました。しかし、ムロ君の演技の説得力を見て、全然やれるんだと確信できたんです。今回の作品に関しては、自分で役をつくるより、土橋さんの大石内蔵助のイメージに合わせて演じました。実際には分からないけれど、大石だって遊郭で遊ぶだろうし、酔っ払いもするだろう、と思えるのは、創作ならではの面白さですよね。
今作は孝証という人が駆け抜けていく話。ムロ君が画面の端まで飛び出たり、はみ出しながら、船頭としてある意味命がけでやっていたので。自分がどう大石を演じるかより、ムロ君についていくことこそが、僕の忠義を尽くすことでした」
ムロさんが盛り上げる笑いがあるからこそ、孝証や大石の悲哀にもより共感できる。笑いあり涙あり、歴史を知らなくても力を抜いて楽しめるエンタメ作品となりました。「ずっと途上」
常に変わり続ける演技との向き合い方40代を迎え、ますます俳優としての存在感が高まる永山さん。演技との向き合い方が常に変わり続けていると言う、その柔軟さも魅力のひとつなのかもしれません。
「ずっと途上なので。重要なのは到達点や結果ではなく、どこに向かっているのか。そして、作品の中でどれだけ生きていることを考えて感じられるか。僕たちがつくるのは基本的に娯楽なので、街で会った人や、ネットの感想でも、ほんの一言、次の作品も楽しみにしていますとか、面白かったと言ってもらえるとエネルギーになるし、救われるんです。生活の中で苦しいことや辛いことがあっても、観ている瞬間だけでもいいから、現実から離れて楽しんでもらえたら。皆さんに勇気や生きる活力を与えられるような作品をつくり続けたいし、携わり続けたいですね」■プロフィール
俳優/永山 瑛太
1982年、東京都出身。モデルとして芸能活動を開始後、2001年『さよなら、小津先生』で俳優デビュー。2005年には、『サマータイムマシン・ブルース』で映画初主演を務める。2009年エランドール賞新人賞、映画『ディア・ドクター』で第33回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞。近年の主な出演作は、映画『友罪』、『怪物』、『ミステリと言う勿れ』などがある。
■インフォメーション
身代わり忠臣蔵
2月9日(金)全国公開
■出演:ムロツヨシ 永山瑛太 川口春奈 林遣都 北村一輝
柄本明 ほか
■監督:河合勇人
■脚本:土橋章宏