三宅裕司さん率いる熱海五郎一座の新作『黄昏のリストランテ ～復讐はラストオーダーのあとで～』が、６月２日から新橋演舞場で始まります。今年のテーマは「料理」「悲しい過去」「復讐」。ゲストは笑顔の素敵な女優・羽田美智子さんです。

物事をうまく展開させていく秘訣は、常にご機嫌でいること

　陽だまりのような笑顔と穏やかな口調で周囲を和ませる女優・羽田美智子さん。共演者からは「瞬時に撮影現場を明るくしてしまう力がある」と専らの評判です。

　「自分では全く意識していないのですが…。ただ、いつもご機嫌でいるってことが凄く大事かな、とは思います。年齢のせいかもしれませんが、だんだん時間は有限だと実感するようになってきて、一瞬たりとも嫌な思いをしたくないんですよね（笑）。それに自分の機嫌が良いと、転がるように面白いことが起きるし、反対に不機嫌でいる時は何だか止まっているような感じがして。若い頃は時間があり余っているから今日の機嫌が悪くても大した影響はないけど、この年になるともう勿体ないですからね」
　また、現場で元気がない人がいると、どうにも気になってしまうという羽田さん。自他共に認めるお節介な性格であり、「何かあった？」「お腹空いてない？」と声を掛けることも多いそうです。共演者やスタッフもそんな羽田さんの温かい心配りに癒されているようですが、時には裏目に出ることも。
　「昔、要らないって言う人や、歯を磨いたばかりの人に『美味しいから一口食べてみて！』と勧めていたら『優しい悪魔ってお前みたいなのを言うんだな』って言われたことがあります（笑）。あと、何でも最初に『え？』って聞き直す俳優さんがいたので『何時何分集合です！』と耳元で大きく言ったら『うるさいんだよ！』って怒られたり（笑）。勝手に耳が遠いと思っていたけど、単なる習慣だったみたい。そういう失敗も多々あります（苦笑）」

熱海五郎一座の舞台は、笑いが約束された３時間

　２０１４年に始まった熱海五郎一座の新橋演舞場シリーズも今年で11回目。羽田さんはそのほとんどを劇場で観劇し、年々進化するパフォーマンスに圧倒されていたと話します。

　「すごいなすごいなって眺めていたので、まさか声が掛かるとは思いませんでした。ドキドキしながらいろいろ考えたのですが、一度しかない人生だからチャレンジと思って受けさせていただきました。
　喜劇の経験は以前、三宅さんのコント番組に参加させていただいたことがあります。三宅さんは本当に笑いに対して厳しい眼差しをお持ちで、喜劇というのは最高に難しい芸術なんだというのが伝わってきたのを覚えています。私の方はと言うと、笑うのを我慢するのが大変で（笑）。真面目にやればやるほど面白いって分かってはいるのですが…。お客様が笑う前に私が笑っちゃうと台無しになってしまうので、今回もそこが肝かなと思っています」
　年齢を問わず、誰にでも分かりやすい笑いを提供してきた熱海五郎一座。演者と客席の一体感や、漂う昭和の雰囲気も魅力です。
　「熱海五郎一座の舞台は始まる前から『ショーを思いきり楽しむぞ！』という空気が客席に満ちていて、いざ幕が上がれば劇場が一体となってひとつの空間を作り上げるんです。これは他にはない世界ですし、この３時間は絶対に笑わせてくれるというお約束もあるから、リラックスして観られるんですよね。読者の皆さんは芸術にも目が肥えていらっしゃる世代だと思いますが、今作もどこか懐かしく、心に明かりが灯るようなエンターテインメントになると確信しています。どうぞ安心して笑いに来てください」

■プロフィール

女優／羽田 美智子

1968年茨城県出身。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞し、翌年には映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。主な出演作はドラマ『花嫁のれん』シリーズ、『おかしな刑事』シリーズなど。現在放送中のドラマ『特捜9 final season』（テレビ朝日）にレギュラー出演中。女優業の傍ら、美と健康がテーマのオンラインセレクトショップ『羽田甚商店』の店主も務める。

■インフォメーション

喜劇 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第11弾

『黄昏のリストランテ

～復讐はラストオーダーのあとで～』

出演／三宅裕司、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博（交互出演）、深沢邦之（交互出演）、羽田美智子、剛力彩芽　

日程／6月2日（月）～27日（金）　

会場／新橋演舞場　

料金（全席指定・税込）／1等席：12,500円、2等席：9,000円、3階A席：6,000円、3階B席：3,500円、桟敷席：13,500円

【問】チケットホン松竹　0570-000-489（10：00～17：00）