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笑うことで生きる勇気を得る。そんな芝居を作ることが僕らの役割なんじゃないかな 2026.05.18
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今年で創立95周年を迎える劇団『前進座』。その記念公演として5月30日から上演される『お久文七恋元結』は、名作落語『文七元結』のアナザーストーリーとも言える喜劇です。監修と脚本を務めるのは名匠・山田洋次監督。前進座とのタッグは3作目となります。

 

山田洋次監督の書き下ろしによる江戸っ子たちの大騒動

 幼い頃から落語少年だった山田洋次監督。特に柳家金語楼や古今亭今輔がお気に入りで、寄席中継の晩はラジオの前で正座して待機していたと言います。
 「小学校2~3年頃から落語は好きでしたね。僕らの時代は寄席に子どもが行けないからラジオで聴くんです。親父はそれを見て変な息子だなって思っていたんじゃないかな。
 僕は敗戦時に大連にいたのですが、引き上げがうんと遅くてね。2年位は食うや食わずで、自分の家の金目の品や着物を繫華街に持っていって売る生活をしていたんです。ある時、一軒の小さなキャバレーの前を通ると『本日、落語名人会・志ん生と圓生』とあってね。僕は子どもだけどファンだったから(三遊亭)圓生も(古今亭)志ん生も知っていたんです。でも飢え死にする人も出た時代に落語会なんて、何か間が抜けてて可笑しくて。帰って親父に言ったら『誰も行かねえだろうな』って。僕はちょっと行きたかったけど、落語に行くからお金くれとも言えないしね」
 山田監督の創作の原点とも言える幼少期の落語体験。大人になってからもその熱は冷めず、『男はつらいよ』をはじめ数々の作品にも落語の要素が取り入れられてきました。5月開幕の『お久文七恋元結』も、人情噺の名作『文七元結』を新たな視点から描いたラブロマンスです。
 大金を失くし、身投げして詫びようとする手代の文七。そこへ偶然通りかかった左官の長兵衛は、娘のお久が身売りしてまで拵えた金を渡してしまう。当然、長兵衛の家は大混乱…それがめでたく収まろうとしたところ、お久と文七が一目惚れしたことで新たな大騒動へ向かってしまい…。
 「落語では文七とお久が簡単に結ばれて終わるけど、それまでにいろいろあっただろうという物語を考えてみたわけです。文七は商店の手代、お久は裏長屋の左官屋の娘、好き合った同士とはいえ、この時代、そう簡単に結ばれるわけがない。『曾根崎心中』が流行った時代でもあるから、下手すれば心中したかもしれないね。多くの障害をどうクリアしていったのか、その辺りを観ていただきたいですね。もちろん喜劇ですから全体として笑いがありますし、最終的に二人は結ばれてハッピーエンディング。その点はご安心ください」

 困難な時代、「何とかして笑いたい」という思いに応えたい

 「かつては落語のかなり熱心な聴き手だったけど、今は作って提供するのが仕事になったわけだなあ」
 来し方をしみじみと語る山田監督。閉塞感漂う現代にこそ喜劇を届けようとする姿は、敗戦後の大連で落語会を開いた圓生と志ん生の姿にも重なります。
 「笑うことで生きる勇気を得たいという思いは誰にでもあるんじゃないのかな。でも現実はニコニコ笑って過ごせる時代じゃない。今の世界は新聞を読む度に溜息が出るような、あるいは無性に腹が立つような時代だね。この国も決して幸せな方向には向かっていない。凄まじい値上がりとか、石油がどうなるのかとか。そういう重苦しい時代に何とかして笑いたいという気持ちが起きるのは当たり前だし、そのためには『本当に人間は愚かな存在だよなあ』と共感できるものが必要だね。お前も馬鹿だけど、俺もけっこう馬鹿だよなって笑いながら欠点を許していくっていうのかな。そうするうちに、また明日から頑張ろうって勇気が出てくる。そんな芝居を作ることが僕たちの役割なんじゃないか。明日食う米はおろか、麦だって大豆だって手に入らなかった戦後のあの時代、圓生や志ん生も同じ思いだったのかもしれない。受け止める僕たちは『そんなに笑っていられるかい』って思いでいたりするんだけども(笑)」

 

■プロフィール

映画監督/山田 洋次

1931年大阪府出身。54年東京大学法学部を卒業し、同年助監督として松竹に入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年から始まった『男はつらいよ』シリーズは全50作品が公開され、国民的映画となった。その他、『幸福の黄色いハンカチ』や『たそがれ清兵衛』など数々のヒット作を手がける。劇団前進座では『裏長屋騒動記』と『一万石の恋』で監修・脚本を担った。

 

 

■イフォメーション

前進座創立95周年記念公演

「お久文七恋元結(おひさぶんしちこいのもっとい

監修・脚本/山田洋次 

演出/小野文隆 

出演/曽我廼家寛太郎、横山由依、 藤川矢之輔、河原崎國太郎 他 

日程/5月30日(土)~6月7日(日) 

会場/サンシャイン劇場 

料金(全席指定・税込)/一等席:11,000円、二等席:6,500円、三等席:4,500円 他

 【問】前進座0422-49-0300(10:00~17:00※土日祝休)


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