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一期一筆

鉛筆で書き取り 2022.12.05
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 鉛筆1本の長さは17・2㌢・㍍。JIS(日本産業規格)で決められている長さである。この長さは昔、男性の中指の先から手の付け根までを基準とした名残りらしい。鉛筆の芯を最後まで使い切った場合、筆跡距離はなんと50㌔・㍍にも達するという。
 小説家・小川洋子さんの著書『そこに工場があるかぎり』(集英社)で知った。サインペンは700㍍、ボールペンは1・5㌔・㍍というから鉛筆に脱帽である。現在使われている鉛筆の芯は黒鉛と粘土を混合し、焼き固めて作る。フランス皇帝・ナポレオンの命令があって開発された製造方法だが、今も基本は当時と変わっていないという。
 日本製鉛筆の生産本数は、1966年がピークで約13億8542万本。その後は学齢人口の減少やボールペン、シャープペンシルの利用増、パソコン、スマートフォンの普及などで生産本数の減少が続き、昨年はピーク時の7分の1まで落ち込み、約1億9069万本だった。寂しい気もする。
 また、我々世代が使っていた芯の硬さは〈HB〉が主流だったが、近年は子どもたちの筆圧の低下などもあって〈2B〉が主流になっているという。
 初めて手にした筆記具は鉛筆だった。小学校に入学してからは前日夜、小刀で何本も鉛筆を削り、翌日の授業に臨んだ。鉛筆が我が身を削った分だけ吾が知識が増し、夢もかなえられてきたように思う。世話になった鉛筆に恩義も感じている。漢字が書けなくなったこともあり最近、書き取りに再挑戦している。それにナンプレ(数独)にもはまっている。もちろん筆記具は鉛筆である。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)


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