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一期一筆

文字の力 2023.01.16
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 〈村神様〉―。現代用語の基礎知識(自由国民社)が選んだ昨年のユーキャン新語・流行語大賞である。プロ野球で日本選手最多の56本塁打を放ち史上最年少の3冠王などにも輝いた東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手の活躍を表した言葉である。
 新語・流行語は世相を映す言葉の鏡。いつの世も言葉ひとつで人の心が動き、世の中も動いてきた。その言葉を支えているのが文字である。大賞の〈村神様〉は、〈村上〉の〈上〉の漢字を〈神〉に置き換えただけだが、ファンを含め多くの人の心をつかんだ。
 書き換えたい漢字文字が三つある。ひとつは〈国〉。囗の中にある〈玉〉を〈民〉に書き換えて〈囻〉としたい。日本は戦後、民を主権者とする民主主義の道を歩んできた。民が主の〈民主〉を党名に入れている政党も四党ある。「民のくに」には、君主制や王権を彷彿させる玉座の〈玉〉は似合わない。〈囻〉の漢字が常用されれば、日頃から主権者意識も養われ、強権政治など政治の暴走に対する歯止め効果も期待できる。ぜひ実現したいと思う。
 二つ目は危機意識が今ひとつの地球温暖化対策。間違いなく熱くなっている地球。危機意識を高め、対策を加速させるためにも〈暖〉を〈熱〉に置き換え、〈地球温熱化〉とすべきである。
 三つ目は、お役所言葉の〈前期・後期高齢者〉。前期高齢者は〈高齢者〉、後期高齢者は〈高貴高齢者〉でどうだろう。〝高貴な人〟と言われると思えば、本人の意識が変わり、佇まいも変わる。高貴な人と関わると思えば、社会の在り方も変わる。今年は文字の力を問い直す年にしたい。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)


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