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人類諫暁の書 2023.02.20
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 頻発する気象大災害、地球規模の環境悪化、貧困と格差による社会の分断…。地球という惑星は今、警報が鳴りっ放しの緊急事態に陥っている。地球をあのタイタニック号に譬えるならば、あと60秒で氷山に衝突するが、衝突を回避する旋回には60秒以上かかる。そんな深刻な状況だという。
 地球規模の課題解決に半世紀以上に渡って取り組んでいる民間のシンクタンク「ローマクラブ」(本部・スイス)が、昨年9月に発表した新たなリポート『万人のための地球(Earth for All)』(丸善出版)での指摘である。
 同クラブは1972年に地球の有限性に警鐘を鳴らし、地球と調和した生き方を人類に促すリポート『成長の限界』を発表。当時のロナルド・レーガン米大統領が「成長に大きな限界はない」と報告書に反論するなど世界的論議を引き起したが、価値観転換までには至らなかった。
 50年ぶりのリポート第二弾『万人のための地球』では、貧困、不平等、ジェンダー、食料、エネルギーの5分野で劇的な方向転換を即座に始めれば、地球を犠牲にしない経済活動が可能とし、〈経済は人と地球に奉仕するものであって、人と地球が経済に奉仕するものではない〉が基本理念のウェルビーイング経済への大転換を図るシステム的アプローチを提示している。
 人類共有資源への課税制度とベーシックインカムを組み合わせた市民ファンドによる配当システムの導入や社会的緊張を緩和する処方箋などを盛り込んでおり、勝者総取りの強欲資本主義からの脱却を促す〝人類諫暁(かんぎょう)の書〟であり、万人のための一書である。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)


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