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72時間の壁 2023.03.20
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 地震のエネルギーは、阪神大震災の約22倍だったという。東北大学などが分析した先月6日未明のトルコ南部の地震。隣国シリアと合わせた最終的死者数は、5万人前後になりそうだ。その一方で若いシリア人夫婦がトルコで296時間ぶりに救出されるなど生存率が急速に低下する〈72時間の壁〉を大幅に超える〝奇跡の生還〟も相次いだ。
 人命救助のタイムリミットとして近年耳にする〈72時間の壁〉という言葉は、1995年の阪神大震災時の救出者の生存率に起因する。地震発生当日の救出者生存率は75%だったが、翌日は24%、3日目は15%と推移し、4日目以降は5%まで低下したことから、3日目の72時間が救助活動の目安のひとつとなった。
 もうひとつは、サバイバル業界でよく使われている人の生存目安である〈3の法則〉。血液(血流)なしでは3秒間、空気(酸素)なしだと3分間、保温(体温保持)なしでは3時間、水(飲水)なしは3日間、食糧(摂食)なしだと3週間をそれぞれ生存限界とする法則だが、脱水症状で死に至る飲水なし3日間も〈72時間の壁〉の根拠という。
 ただ今回の被災地では、氷点下の厳しい寒さと戦いながら72時間以上耐え抜いた生存者の救出が続出した。就寝中の地震だったことで寝具が身体への衝撃の緩衝材となったり、瓦礫を伝ってきた雪水や生存者の強靭な生命力などが生死を分けたようだ。
 〈72時間の壁〉は厳としてあると思うのだが、人命の尊さを考えれば、特に建物崩壊現場では10日前後を救出作業の目安とするのが本来のタイムリミットなのかもしれない。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)


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