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シニアの名刺 2023.09.19
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 〈日本俳句協会 非会員〉。俳句を趣味とする寿司店のご主人から生前に頂いた名刺の肩書きである。ご本人は「会員でないので非会員。どこにも属さず、ただただ俳句を楽しむジジイ。〝遊び心〟ですわ」と笑い飛ばしていたが、俳句談議に花が咲くなど自己紹介効果満点の私的名刺だった。
 名刺の淵源は、紀元前3世紀頃の中国に遡る。諸説あるが、ある皇帝が結婚相手となる女性の父に自己紹介をする際、木や竹でできた〈刺〉と呼ばれる細長い板に名前を書いて渡した。これが名刺の始まりで語源という。日本では江戸時代からで、当初は名前を和紙に書いて渡していたが、幕末には家紋入りの木版印刷の名刺も登場した。
 現在、国内での使用枚数は1日3000万枚、年間100億枚にも達し、全世界の70~80%を消費する世界で最も名刺を使う国民とも言われている。大半はビジネスなど仕事絡みだが、働き方が変わってきた最近では、〈私〉という個人の人生観や価値観をアピールする私的名刺も増えてきた。
 ならば、現役引退者であるシニア世代の名刺も出番である。夕方の居酒屋回遊が日課になっている人は晩酌セット研究者、健康志向の人はスポーツジム愛好家、家庭菜園を楽しんでいる人は自給自足探求者、専業主婦の人は伝説の家庭料理人、旅好きの人は諸国漫遊の達人、読書家は知の旅人…。
 シニア生活の今をアピールする名刺。ちょっと考えるだけでも楽しくなってくる。人生100年時代である。遊び心たっぷりの名刺を交換しながら、人の輪を拡大し、新たな人生の扉を拓くのも一興である。おススメしたい。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)


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