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一期一筆
- 秒速6百㎞の旅人 2024.11.17
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地球や太陽など天の川銀河に属する全てのものは、秒速約6百㎞で宇宙空間を突き進んでいるという。もちろん我ら人間も例外ではない。科学技術や宇宙物理学、天文学などの進歩で宇宙はより身近な存在となってきた。星たちと語らいながら自身の宇宙的視野を広げたいと思う昨今である。
まずは秒速6百㎞という謎解き。地球は毎日、秒速460mで自転しながら一年がかりで太陽を回っている。その公転速度は秒速約30㎞。また地球が属する太陽系も天の川銀河の中心に対して周期2億年超、秒速約230㎞で周回している。
頭がくらくらしてきそうだが、その天の川銀河もまたビッグバンで放出された放射線の流れの中を秒速約6百㎞で疾走している。そんなことから、同銀河の一員である我らも秒速6百㎞の旅人という訳である。
超速移動を感じないのは、地球上の人も、空気も、太陽も、太陽のような恒星2500億個で成り立っている天の川銀河も、全て一体で同じ速度で同じ方向に動く等速直線運動を行っているためだという。
また、天の川銀河は近くのアンドロメダ銀河や他の銀河と共に〈局所銀河群〉という集団をつくると同時に他の局所銀河群と一緒に「おとめ座超銀河団」という〈局所超銀河団〉の塊に属している。つまり宇宙の正体は、こうした超銀河団の集合体なのである。
あまりの壮大さに圧倒されるが、学んでいる仏法では人の生命にもこの宇宙に匹敵する〝内なる宇宙〟が存在すると説く。人を宇宙と一体のものとして捉える仏法哲理。暫くは宇宙と仏法を探求する旅人でいようと考えている。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)