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一期一筆
- からっぽの国 2026.02.19
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我が国には〈法の支配〉を口にする資格があるのだろうか。そんな思いが日増しに強くなっている。第2次世界大戦時のナチス・ドイツによる組織的なユダヤ人虐殺「ホロコースト」を契機として結ばれた「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約」、通称ジェノサイド条約。1948年の国連総会で採択された最初の人権条約でもある。
残虐な行為を二度と繰り返してはならないという国際社会の強い決意だ。アメリカ、中国、ロシアなど153か国が批准しており、締約国はジェノサイド犯罪を国内法で定め、この重大犯罪を適切に処罰するとともに、防止する義務が課せられている。
ところが、我が国はこの条約に批准しておらず締約国ではないのである。政府は「慎重に検討する」と述べ、加入の先延ばしを続けてきた。なぜ、慎重になる必要があるのか、愚輩には理解できない。虐殺を容認したいのだろうか。まさか、である。日本はジェノサイドを繰り返さないという決意表明に加わらない国。それでは、各国を説得する資格も信頼も得られない。当然だと思う。
それに、現在の日本には国際刑事裁判所(ICC)のローマ規定に定めるジェノサイド犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪という重大犯罪全般に対する処罰規定がないことも判明している。内実は〝からっぽの国〟なのである。
我が国はICCへの最大資金拠出国で、今年度は約46億円を負担したが、資金援助だけでは〈法の支配〉を声高に語る資格はない。大局観がなく、国民に恥ずかしい思いをさせる政冶指導者はいらない。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)









