アクティブなシニアライフを応援する情報サイト

素敵に年を重ねる’あなた’のための応援サイト
Home

文字サイズ変更

  • 標準
  • 大

はいからCHANNEL インターネットTV
はいから大人の部活
遺言アプリ100年ノート

はいからお昼の快傑TV
老後の窓口


メディアのご紹介

  • 季刊誌はいから
  • 新聞はいからエスト

好評連載コラム

清水国明さんのスローライフのススメ

ときめきこそが、今を生きる力になる 2012.03.12
Share

 

【 スローライフのススメ】一覧はこちら

 

 

いつからだろう、小便器の前に立つと「ふぅー」っと長いため息をついてしまう癖がついたのは。

 

 どこからか、「おいおい」と呼ぶ声が聞こえた気がしたのだが、なんだかとても親しい身内の感じがして、すぐには返事もせずに放尿の快感に浸っていた。

 するとまた「おい、お前いつまで俺をシッコのためだけに使っているつもりなんだ?」と股間から。なんだ愚息かぁ。

 

「どした、なんか不満でもあるのか?」

「お前、ホントいい加減にしろよ。もう何か月いい想いしてないと思っているんだ。いつもいつもシッコにばっかり使いやがって、臭っさくてたまらんだろが」

「いやぁ、心がけてはいるのだがなぁ」

「あのね、もっと積極的にちょっとのチャンスも逃さずに、まるでアニマル、種馬と呼ばれていたあの頃のように…」

 文句の途中でシッコが終わり、愚息の勢いもフェードアウトして、ぷるっとひと震えの後、チャックの中に消えた。

 

 こんな息子のためにも、頑張ってあげなければと思う。けれどしかし、この歳になってくるとなかなかときめくような出会いがない。出会いがあってもときめかない。ときめいたとしても、そこから今一歩踏み出す気力がみなぎってこない。こうしてやがて我が息子は、排せつ器としての役割だけになってしまう運命なのだろうか。あまりにも不憫である。

 

 「愛することに理由はいらない。愛しているときだけ、人は生きている」のだそうである。

 

 年明け早々に母が85歳で亡くなった。いつも手をつないで寝ていた父と母は、病院でも評判のオシドリ夫婦だったが、最愛の人を失ったとたん父も生きるのをやめた。

すべては母を喜ばせるためだった温泉旅行や食事にも、まったく興味を示さなくなったのだ。愛する人が生きているときだけ、父も生きていたのだろう。88歳のこの男と我が息子を蘇生させるには、新しいときめきが必要である。今を生きていなければいつかくっきり死ぬこともできないのだから。
 

 

【生きるチカラ基金口座】
■三井住友銀行 新橋支店(店番216)普通預金  
■口座番号:2137380
■口座名義:生きるチカラ基金口(イキルチカラキキングチ)  公益財団法人東京コミュニティー財団(コウエキザイダンホウジン トウキョウコミュニティザイダン)  代表理事小川敏男(ダイヒョウリジオガワトシオ)

 

 

【 スローライフのススメ】一覧はこちら

 

 

◎清水国明
タレント・多毛作倶楽部  代表


Back PageTop

  • 会社案内
  • プライバシーポリシー
  • ご利用規約
  • お問い合わせ
  • 広告掲載のご案内