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聖マリアンナ医科大学病院 スーパー医師による医療情報
- 再建手術でチーム医療の一翼を担う~聖マリアンナ医科大学 形成外科学 主任教授、聖マリアンナ医科大学病院 形成外科部長 松本 洋先生 2026.03.07
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形成外科は、頭頂部からつま先までの全身に生じた先天異常、外傷(けが)、腫瘍、きずあとなどに対し、見た目(形態)と機能の両面から治療を行う診療科です。主に手術を通じて、患者さんのQOL(生活の質)の維持・向上を目指しています。
形成外科の中でも、腫瘍切除や外傷などによって生じた組織の欠損を修復する分野を「再建外科」といいます。とくに、顕微鏡下で細い血管をつなぎ合わせ、組織移植を行う手術を「マイクロサージャリー」と呼びます。マイクロサージャリーには高度な技術と豊富な経験が必要ですが、血管を付加した組織を身体のさまざまな部位から採取し移植できるため、多様な組織欠損に対応することが可能です。
聖マリアンナ医科大学では、乳腺外科による国内有数の乳がん手術件数を背景に、多くの乳房再建術を行っています。乳房再建には、ご自身の組織(自家組織)を用いる方法と人工物を用いる方法があり、当院ではいずれにも対応しています。とくに自家組織による再建では、乳がん切除と同時に再建を行う「一次一期再建」を推奨しています。腹部・背部・大腿部など、患者さんの体型や乳房の大きさ、ご本人のご希望を踏まえて、最適な組織採取部位を選択しています。こうした一次一期再建やマイクロサージャリーを用いた多彩な再建法に対応できる施設は限られており、乳腺外科と形成外科が緊密に連携したチーム医療体制を構築しています。さらに、耳鼻咽喉科・頭頸部外科や消化器外科と連携し、口やのど、食道などの悪性腫瘍切除後の再建にも力を入れています。これらの部位は、食事や会話といった日常生活に直結する重要な機能が集中しており、再建手術によって術後の機能低下をできる限り抑え、QOLの維持・向上を図っています。その他、整形外科領域における外傷後の組織欠損に対する再建や、過去の外傷やがん治療により障害が残り、日常生活に支障をきたしている患者さんへの二次再建にも積極的に取り組んでいます。
聖マリアンナ医科大学形成外科では、診療科の枠を超えたチーム医療により、高度な医療の提供と地域医療への貢献を実践しています。■取材協力
聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市宮前区菅生2‐16‐1)
☎044‐977‐8111㈹









