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聖マリアンナ医科大学病院 スーパー医師による医療情報
- 地味ながら守備範囲の広い麻酔科~聖マリアンナ医科大学 井上 莊一郎先生 2026.10.12
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麻酔科医は幅広い診療に関わっています。手術中の麻酔をはじめ、集中治療室での重症患者さんの治療、外来での慢性痛治療を行うペインクリニックまで、一人の麻酔科医が複数の分野を担うことも珍しくありません。今回は手術麻酔とペインクリニックについてお話しします。
「手術」と聞くと、多くの方は執刀医を思い浮かべるでしょう。映画に例えるなら、執刀医チームは俳優陣です。では麻酔科医はというと、表舞台には立たず重要性が見逃されがちですが、現場を支え、作品づくりに欠かせないカメラマンや照明担当者に相当すると私は思います。
実際の仕事を紹介すると、手術前の患者さんの持病や服薬、心臓や肺などの機能を術前外来で評価します。高齢の方は身体の状態、臓器機能の個人差が大きいため、術前評価は特に重要です。そして、麻酔の計画を立て、手術中は痛みを取り除き、全身麻酔では意識を制御しながら、心臓や呼吸を中心に全身管理を行います。術後は傷の痛みを和らげ、早期回復を後押しします。
かつて「麻酔は危険」と思われていた時代もありました。しかし、現代は薬剤やモニター機器、麻酔に関する知識・技術が長足の進歩を遂げました。「絶対安全」とは言えないまでも、麻酔の安全性は格段に高まっています。
ペインクリニック外来では慢性痛の治療をしています。当院で多いのは、高齢者に多い帯状疱疹後の神経痛、手術の傷のまわりの慢性痛、腰や首の痛み、脳での感覚の受け取り方が変化したことで生じる痛覚変調性疼痛などです。
帯状疱疹後神経痛や手術後の慢性痛では、皮膚症状や傷が治った後もビリビリ、ジンジンとした痛みが数カ月から数年間頑固に続き、生活の質が低下することもあります。痛みを完全にゼロにすることは容易ではありませんが、当院では内服薬を組み合わせ、患者さんの状態や生活状況に合わせ、生活の質を念頭において治療しています。痛みに悩まれている方は、一人で我慢せず、相談していただければと思います。井上 莊一郎先生/聖マリアンナ医科大学 麻酔学 主任教授、聖マリアンナ医科大学病院 麻酔科部長、手術・IVRセンター副センター長、脊椎センター副センター長









