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森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活

【第7回】海外移住の落とし穴 2013.01.01
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【森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活】一覧はこちら

 

物価や家賃が安くても海外定住は簡単ではない

 年金生活に入ったら、海外でゆったり暮らしたいと考えている人がたくさんいます。確かに、アジアの国に移住すると、物価は半分以下になりますし、家賃が安いので広い家に住めます。また、人件費が安いので、年金でお手伝いさんが雇えてしまうこともあります。働く場所を考えなくてもよい年金生活者にとって、海外移住は、最大の特権と言えるかもしれません。

  ただ、物価の安い海外で暮らせば何もかもうまく行くとは限りません。むしろ定住ができる人のほうがずっと少ないのが現状です。

いざ問題が起きた時に痛感する言葉の壁

  移住の最大の障害は、言葉です。移住に失敗した人の大部分は、現地の言葉が十分にできなかった人です。もちろん普段の生活に高度な語学能力は要らないのですが、問題はトラブルが起きた時です。

  病院で「胃がムカムカする」とか「背中に刺すような痛みがある」と英語で言えますか。車をぶつけてしまった時に「あなたがよそ見をしていたからでしょう」と英語で主張できますか。英語でなく、アジアの現地語だったら、もっとむずかしいと思います。

  日本人は自分の立場を強く主張しませんが、それでは海外で生きていけません。こんな話を聞いたことがあります。ドイツで横断歩道を渡っていた日本人が車にはねられたそうです。重体になった日本人は、病院のベッドで、片言のドイツ語を使って「お許し下さい」と言って息を引き取りました。「先立つ不幸をお許しください」という意味だったのですが、この一言が原因となって、ひき殺したドイツ人のドライバーは無罪になってしまったそうです。このような文化の問題のほかに、例えば、多くの国で外国人の土地所有が禁じられているといった問題もあります。ですから、いきなり移住を考えるのではなく、まず1年ほど長期滞在をしてみて、本当にきちんと暮らせるか確かめてから移住しましょう。日本の家を処分するのは、その後で十分です。

 【森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活】一覧はこちら

 

 ■森永卓郎

 1957年東京生まれ。 経済アナリスト。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に。多数の著書を手掛け、最近は「年金は60歳からもらえ」(光文社)を監修。ペットボトルの蓋などB級グッズコレクターでもある。


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